GWの後半、九州の田舎に帰省しました。


側弯症の術後は暫く体も思うように動かせないだろうし、長距離の移動も難しくなるかと思い、母親の様子をこの目で確かめ、何か困っていることがあればその対策を立てるために

脊柱管狭窄症を患い、10年前に手術をした母は、自分の体を労わりながら一人暮らしをしています。

母は、自分が死んだ後に一人娘の私に迷惑がかからないようにと、ここ数年せっせと終活をしています。

寝室で母と一緒に衣類や布団の整理をしていた時、

「お父さんとは随分海外旅行に行って
写真もたくさん撮ったけど、
もうアルバムを開くこともないし、
全部処分しようと思うの…」

寝室の棚に、きちんと整理された何十冊ものアルバムを指して母がそう言いました。

定年後、父と母はよく海外旅行を楽しんでいました。

几帳面な母親は、カメラ好きの父親がその土地土地で撮ってくれた写真にコメントをつけ、綺麗にアルバムにして保管していました。


「思い出は私の心にしまって
あの世に一緒に持っていくわ

私のことは心配しないで
大丈夫だから…
せっかく側弯症の手術が
受けられるんだから
あなたは自分のことを
心配してちょうだい。」
教師をしていた母

母のことを心配するつもりが、逆に励まされてしまいました。

それから、母はベッドの横に置いてあるボストンバックと紙袋を指して

「何かあったら
直ぐにタクシーを呼んで
病院に入院できるよう
タオルや下着をバックに詰めて
用意しているの」


母の覚悟が詰まった小さなボストンバックを見て何だか切なくなりました…

母にはやっぱりかなわないなぁ…