Songs From My Father | チーフ・エディターのブログ

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音楽配信の仕事上年間クラシック中心に毎年1,200枚ハイレゾの新譜を聴く中で気になったものを1日1枚。

Gerry Gibbs, Chick Corea, Ron Carter, Kenny Barron, Buster Williams etc 

ジャズドラマー、1964年生まれのGerry Gibbsが、父親でもあるレジェンド・ビブラフォーン奏者今年96歳のTerry Gibbsの作品をトリビュートしたアルバムだが、ここに参加しているメンバーは腰が抜けるほど強力だ。

 

また、Chick Coreaの最後の録音にもなってしまった。

 

Garryは既にRon Carter, Kenny Barronと“Thrasher Dream Trio”を組んで完成度の高い作品を発表しているが、このアルバムでは、他のレジェンド達ともトリオを組んでいるので “Thrasher Dream Trios” と複数形にしている。

 

つまり、①Gerry Gibbs, Chick Corea, Ron Carter; ②Gerry Gibbs, KennyBarron, Buster Williams; ③Gerry Gibbs, Patrice Rushen, Larry Golding; ④Garry Gibbs, Geoff Keezer, Christian McBrideという4組のドリーム・トリオによる演奏が数曲づつ収められている。

 

ただ、Track9『Hey Chick!』だけ、Chick Corea以外のメンバー全員に加えTerry Gibbs自身が参加している。もちろん急逝したChick Coreaに捧げられたもの。

 

もともと、Terry Gibbs作の『Hey Jim !』という曲がChickによる演奏で予定されていたのだが、録音数日前に肋骨の痛みがあって演奏できないという電話があり、それはひとまず延期となったが、永遠となるキャンセルになった。

 

また、最後の曲は、元々企画していたGerry自身のアルバムの構想過程でChick Coreaが書き上げた曲で、これが遺作となってしまった。

 

Gerry Gibbsはコロナによる感染を避けるため(レジェンド達はかなりのご高齢である)アメリカ中を東西南北ドライブし且つホテルに泊まらずキャンピングカーで移動して各地のアーティストとの録音を行ったという。

 

時間、場所など色々な制約があって、リハーサルはほぼなかったというが、ジャズ界のスーパーマン達なので全部即興でも朝飯前だろう。

 

今後、ここまで豪華なメンバーによるセッションスタジオ録音というのがあるかどうかわからない。CDだったら2枚組で19曲のボリューム、また残念ながらChick Coreaの遺作にもなってしまったこのアルバム。一聴以上の価値がある。

2021−640

 

 

 

 

via Classic Music Diary
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