さて、主治医は毎日回診に来るものの、相変わらず無関心でした。
皮疹が出たら、おお、出たね。それでお終い。
口内炎のつらさを訴えてもアズレンのうがい薬を出した以外はその後どうとも聞いてこない。

血液検査の結果も教えてくれず、彼がとうとうブチキレました。患者には知る権利があるはずだ、さっさと持って来いと研修医に怒鳴りつけました。
このままこの主治医の元にいたのでは、ストレスがたまる。信頼も出来ないし、手術しない以上は用はない。

この頃、HIFUか特に重粒子治療が出来ないものかと彼は考えていました。
研修医たちに聞いてみたら、一人は「タルセバをやって重粒子なんて聞いた事がない」と口を滑らせました。慌てて別の研修医が「いや、紹介状は書けます。いくらでも」と取り成しました。


そんな攻防があった中、私がひとつ発見しました。東京女子医大には、化学療法・緩和ケア科があるということを。詳しくはリンクをご覧ください。http://www.twmu.ac.jp/chemo/index.html
化学療法だけでなく、早めに緩和ケアを重視して治療していこうという概念から独立した科です。

渡りに船だと言わんばかりに早速、研修医に転科したい旨を伝えました。
主治医はお忙しいみたいだし、手術できない以上、お世話になるのも心苦しいから、と。 


それからの、研修医達の慌てようったらなかった。それまで放置していた副作用の検査を一気に始めたのです。放置したのが知れたら何か問題になったんでしょうかね。

3日月曜には耳鼻咽喉科を紹介されました。口内炎を見ると口の中、喉に無数の口内炎がありました。
喉は腫れていなかったものの、これは痛いでしょうと同情されました。治療はビタミン療法くらいしかないけど、いつ効くかわからないと言われひとまず保留に。あとは恒例の血液検査。
鼻の皮疹は相変わらず。午後に下痢するも、食欲はあり。
火曜日。肝臓のCTを撮る。これは抗がん剤投与後に肝臓の数値が軒並み上がっていたことから。
ウルソを新たに処方されました。皮疹は変わらず。
水曜日。鼻の皮疹がステロイドを使用しているのにさらにひどくなる。食欲は旺盛。夜、下痢。
木曜日。退院。食欲はあり、多く食べすぎても苦しさとかはなし。ひと段落ついて安心したのかよく寝ていました。


検査入院から、抗がん剤の入院とで彼と一緒にスーパーに行った景色はよく覚えています。
小さな水の祠があったり、スーパー前でパンをつまんでいたら、可愛い雀がおねだりしてきたり。
かつて米作の天敵であった雀がこんなに懐くなんて、と彼は驚いてましたけど。
高台にあるので夕暮れの景色がとても綺麗だった。
永遠にあの時間が続けば良かったのに。





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