安楽死をテーマにした映画を観て、ふと学生時代に教科書で読んだ森鴎外の「高瀬舟」を思い出した。半世紀以上前の事なのに記憶のリレーゲームのように大学時代の法医学講義で習った尊属殺人の事も思い出された。既に法改正で尊属殺人の条文は削除されているが、憎悪や悪意による殺人の対極にある身内による安楽死幇助に一般殺人よりも重い量刑が課せられる不条理。当時の私には余程印象深かったのか「安楽死」euthanasiaはドイツ語読みでオイタナジー、英語読みでユータネィシアと深く刻まれた。果たして高瀬舟とはどんな小説であったかと、ネットの青空文庫で検索して50年ぶりに読み返してみた。そこには安楽死の不条理よりも人生において足ることを知る意味が問われていた。この歳で読めばまた見えてくるものも違うのだなぁと思い、気まぐれブログに記録。