30年以上生きてきて思うこと。
性格は、顔に出る。
サラリーマン生活を続けていると、いろいろな人に出会う機会がある。
基本的には仕事上のお付き合いなので、みんな「それなりの」振る舞いをするはずである。
つまり、「悪く思われないように」「自分の行為によって会社に不利益にならないように」ということである。
しかし、時には
「なんでこんな態度を取れるんだろう?」
というくらい横柄な態度をとる人がいる。
特に、こちらの立場が下(と思われるシチュエーション)の場合、それは顕著に表れる。
取り引きというのは本来的には対等な立場のはずだが、どうしても、会社の規模や条件によって心理的な上下関係は生まれるものだ。
「こちらが上」と思ったとき、まるでこちらの意向など無視するようにぞんざいな態度で接してくる人たち。
そんな人たちは、みんな顔に何か悪いものが出ている。
ぱっと見で、「ああ、こういう人なら、こういう態度をとるよね」というのがわかってしまう。
電話やメールだけの付き合いだったのが、いざ目の前に現れると、「ほらね」と思う。
人相が悪い。
相手がどれだけ金持ちでも貧乏でも、それは関係ない。
一方、明らかにこちらが格下と思われるはずなのに、きちんと接してくれる人たち。
計算込みでそのように振る舞っている場合もあるだろうが、少なくとも悪い顔はしていない。
というか、目を見ればわかる。
いい人はいい顔をしている。
マンガやアニメ、ドラマだと、「見た目は怖いけど実はいい人」というキャラクター造形は定番だが、そういう人たちだって、その「ぱっと見の怖さ」の奥に、本当の性格が滲み出ているはずである。
小さな頃は顔の造形というのは単に遺伝的要素で決まるものだと思っていたが、歳をとればとるほど、その人の「生き方」が顔に出てしまうのだと思うようになった。
だから、高齢者などは、本当に差がはっきりしている。
意地悪な顔。
優しそうな顔。
顔は嘘をつかない。
隠しているつもりでも、すべてが出てしまう。
造形の良い悪いとは別に、「いい顔」というのはいくらでもあるものだ。
むしろ一般的な造形の良し悪しは歳をとるほどどうでもよくなって、その人の生き方が出てくるので、「若い頃はよかったけど、今は…」という例はたくさんあるだろう。
造形的にはよくても、人相が悪い人はいくらでもいる。
逮捕された芸能人を見ればわかる。
政治家なんて、スキャンダルが出るたびに、「どう見ても悪人だな〜」と思わせる人が本当に多い。
よくこの顔で当選したな、と思うような人たち。
これは、ルッキズムとか、そういう単純な話ではなく。
もっと本質的な話。
いくら美容整形にお金を費やしたって、人相なんてものは変えられるはずがない。
まっとうな生き方を続けていれば、だんだんといい顔になっていくはずだ。
翻って、自分はどうか?
毎日覗いているはずの鏡。
はっきり言って、
善人にも見えるし、悪人にも見えるし、どちらでもないように見える。
人は皆、自分のことになると途端に冷静に判断できなくなる。
でも大事なのは自分にどう見えるかじゃなくて、他人にどう映っているかだろう。
綺麗な顔じゃなくていいから、悪い顔になっていないことを願いたい。