この騒動…

様々な意味で考えさせられる事件だと思います。(とても事故で片付けていい話では無いです。)


連日報道されるこの事件、報道を見るたびに、車の免許を取った時の教官と、人生と仕事の師である二次救急勤務時の副院長を思い出す。


車の免許を取るのに教習所で初めての学科講習の時に「貴方がたが取得しようとしている免許は、ほんの僅かな気の緩み、1秒ほどのうっかりで他人を殺してしまう物を運転しても良い!そう言った物です。

そして万が一他者でも同乗者でも自分のうっかりで殺してしまったら、その時は自分の命で償いなさい!

その覚悟が出来ない人は、入所金をお返ししますので、一階の窓口で手続きをして今すぐお帰り下さい。

その様にとても怖い免許を取る覚悟がある、その様な人だけ残ってください」そう言われました。


病院勤めの時に副院長に初めて会った時、こう言われました。

「僕達は貴方が新人だと分かっていますが、患者さんやご家族には、ベテランも新人も関係ありません。

今この瞬間にベテランになってください。

その為に勉強を、経験を惜しまず摘んでください。

一瞬の判断ミスが患者さんを殺します。

ここはそんな場所で、貴方はその立場にいます。…

今話した事…怖いですか?怖く無いですか?

怖く無いと思うなら、今日迄の給料を精算しますので、明日から来なくていいです。

ここは怖いところです…僕だって今でも怖いです。

怖さが分からない人は、居てはいけない場所です。」



場所も言葉も違うけど、二人が言った事は同じ事だと思っています。

そして核にある事は、「労なく得たものに価値は無い!」って事です。

苦労せずに得たものほど扱いは軽くなる。

価値の軽いものに怖さは付いてこない。

昔と比べ今は様々なことが簡単に得られ、仕事なども独立がし易いです。

勘違いをしてほしく無いのは、昔の方が良かった、今はダメとかそんな話ではありません。

ネットで情報が得やすいこと、独立開業がしやすくなった事、それはそれで良い事です。

ですが…

そこに覚悟がついてこない事は凄く怖い…

一番凄惨な現場を経験していれば、自分の行いが軽い事などとは思えなくなるし、キャパシティを越えて調子に乗った結果の事故など起きません。

これはどんな世界にも共通しています。


自分の言葉や行いが、自分も他人もの人生を左右するかも知れない…

自分を常に怖がってください。

誰かを殺してしまう前に…