旧友から電話が来ました。

「とうとう壊れちまったよ…

お前が作ってくれたジャッキ、便利だったんだけどな…

似たようなもの探すか、溶接やってくれるところ探して、同じ物作るよ」


30年ほど前、ウインタースポーツが趣味の友達に、「タイヤチェーンつける時にジャッキアップが1番辛い…」

そんな事を言われて、『だったら車載ジャッキ電動化すりゃあ良いじゃん』

そう答えて、こんな物を作った。


標準装備されてる車載ジャッキ


アタッチメントバーを嵌めてぐるぐる回す、その黒い部分



そこにインパクトレンチのコマを押し込んでアーク溶接。

この溶接加工で大事な事は、ガッチリつける事と芯出しをキッチリする事。

軸がブレるとガタガタして、使い物になりません。

これでバッテリーインパクトレンチを使えば、握るだけでジャッキの上げ下げが出来ます。



続いて用意するのはアンカーボルト

天井や床にドリルで穴空けして、固定ボルトとして付けるやつ。

建築業界の人なら馴染み深いと思う。



インパクトレンチの変換アダプターを用意して、変換部に穴空けとタップ切り(ネジ穴を作る)



タップを切ったところにアンカーボルトのネジ部分を、長さに合わせて切り、ねじ込んだ後にアーク溶接でガッチリ溶接。

これで加工は全て終了。



アンカーボルトはバッテリー切れや、何らかのトラブルでインパクトが使えない時の手動様です。

アンカーボルトのリング部分に、標準のアタッチメントを引っ掛けて、普通の車載レンチと同じ様に使います。



確か当時、コマやジャッキやアンカーボルトは手持ちのを使って、アダプターだけ買ったから出費は千円程度で作った記憶が…

コマの使い古しは沢山あったし、車載ジャッキは車を処分する度に残してたから、10個くらいあった(笑)

アンカーボルトは車の板金やバイクのガソリンタンクの板金に使うのに、やっぱりたくさん持ってたんだよね。

大事な事は2つだけ、兎に角軸をピシッと芯出しする事。

見てくれよりもガッツリ溶接する事。

それだけです。


もし便利!って思って、俺も作る!って変わり者が居たら…

アーク溶接機やベビーサンダーはホームセンターで買えるけど、どちらも資格が必要なので、ちゃんと資格取って下さいね。(私は16歳の時に、夜学の職業訓練校で取りました。自治体で違うかも知れませんが、当時一年課程で授業料無料だったので、そこでガス溶接・電気溶接・研削砥石資格を取りました)

下手すりゃ一生残る障害を残す事故の可能性もあるし、ガス溶接事故は命に関わったり火災事故の可能性もあるので、リスクはきちんと学んで欲しいです。


しかし…30年近くも保って使ってくれてると思わなかった。

俺の溶接も、よく30年も耐えたな😅