フル開閉モデルを作る時、これが綺麗に出来てるか?出来てないか?で、見栄えが大きく変わる部分があります。

チリって奴です。

え?南アメリカのスペインから独立した国?
えっと…首都はサンティアゴだっけ?

って…そっちのチリじゃなくて、パネル毎の段差とかの意味です。

元々は建築用語ですが、板金屋さんとかがよく言います。
チリが合ってない!やり直し!

まだ少し浮いてますが、これがチリが合ってる状態だとして…


これがチリが合ってない状態。
歪みだったり可動部の作りが悪かったり…
理由は様々ですけど、なんか浮いちゃって事故車みたいでしょ?
ボンネット後部だと、この様に浮かせて冷却効率を上げるチューニングカーも有りますが、ノーマルではあり得ない。
カッコ悪いだけです。
困った事に、この様なチリが合わない状態は、ヒンジなどの可動部の方によく出て来ます。
そうなると修正大変。


なので…
可動部側の縁にプラ板を接着します。


こんな感じに、出っ歯みたいに。
このS30Zでフロント側の縁に出っ歯を作ってるのは、一般的な先端部から開けるのでは無く、フロントガラス側から開ける構造だからです。
勿論実車には、こんな出っ歯は有りません。


この様な形に造って…


in!
元の切断面の厚さが一緒だから、出っ歯が支えて絶対浮かない!
強制的にチリが合わせられます。


ドアやトランクにも使えるので、イメージを損なわず可動の制限にならない限り、同様の出っ歯を作り続けます(笑)
しかし…未だにこんなやり方に頼るのは、30年前から加工技術が上がってないって事だねガーン