言葉がどうにもこうにも苦手で、
自分の気持ちや考えをうまく伝えられないことが、
ずっとコンプレックスだった。
意識を向ければ向けるほど、
言葉巧みに話せる人が評価されて、
自信満々で語れる人ばかりが上に行くように見えて。
いつのまにか、私自身も「世界はそういうもの」だと
信じるようになっていた気がする。
——いや、むしろ、
自分でそういう世界を作っていたんだと思う。
「伝える=言葉」と思い込んで、
そこに囚われていたのは、他でもない自分。
でも、
言葉に頼らない深さや、線や色に宿る気持ちを、
ちゃんと受け取ってくれる人もいる。
「言葉じゃない表現にも、同じくらいの力がある」
そう信じられるようになってきた。
旅する絵描きとして
静かに、でも確かに、
この手で伝えていく。
もし同じ気持ちの人がいたら、
そっと届きますように。
