いつもは彼に懐かない子どもが、やけに彼に甘えている。


「何か感じているんじゃ」


と彼。




何かって、


父親が、自分と母親を見捨てて逃げ出そうとしていることですか。
けれども私は、勝手に勘違いしたままだった。

段取りの悪さ
準備をこちらまかせ


それらを、

男性はそんなものだろう
この人はそういう人だ

と思っていた。



数年後に、かれは渋々結婚を決めたと気付くまで。
プロポーズもなかった。

婚約指輪の受け渡しは、いい加減。

婚姻届けもぐだぐだ。
結婚式後に慌てて書いた。

今思えば、気乗りしないから準備もきちんとしなかったのだろう。
やる気がなかったのだ。