腰痛学会参加しての感想。
シンポジウム 腰痛治療の革新 慢性腰痛・神経障害性疼痛に対する治療のbreakthrough
1.神経根の奇形がMRIの特殊な撮像条件で判明した。
確かに2%とはいえ、耳寄りな報告だと感じましたが、奇形は先天的なものなので後年症状が出るのは何故なのか? そしてその痛みが出る機序がよくわかりませんでした。
2.腰痛に対する多血小板血漿の効果と臨床応用
自己血からこれを分離して作成するそうです。それをレントゲンで透視して変性した椎間板に注入するそうです。椎間板の変性で起こる腰痛に効くそうですが、難しい理論でした。
変性は加齢とともに起こるものも多く、60歳以上はほぼ全員疼痛になるしかないのかな?
再生・変性抑制効果は不明との結語でしたので、???です。
3.腰痛に対する抗酸化治療
確かに活性酸素による仙腸関節の炎症で腰痛が酷くなる経験がありました。
ラットでの研究であり、人工的に椎間板を変性させておられているのですが、変性のメカニズムが判明していないそうですし、実験段階ですので参考程度の情報でした。サプリメントでもあるので安全とのことでした。実際、アメリカの整形外科学会の報告で、変形性膝関節症に対してのグルコサミン・コンドロイチン・ヒアルロン酸の内服は効果が無く、ヒアルロン酸の関節注射も行が無いことを数年前に発表していましたから、サプリメント効果は?ではないかな。
他、いくつかの発表もありましたが、医療者のスタンスが診断名からなぜ痛みがが起こるのかを考えていて、診断の付かない腰痛が85%あるということをもっと考えてほしいともいました。
患者サイドは、侵襲の少ない方法で除痛して欲しいと思っているのですから…