どんなに頑張ったって損するだけ。
どんなに努力したってバカをみるだけ。
いつだってそうだった。
僕以外の人が得して、僕以外の人が褒められる。
なら、僕も…僕以外の人のようになりたい。
上手い言い訳を、まるで呪文のように、自分に言い聞かせていたら、僕は…僕じゃなくなった。
すると、得するようになった。褒められるようになった。
でも……
何かが、足りない。
理由を考えてみたけど、面倒になって、考えるのさえ、やめた…。
僕が僕じゃなくなった日から、曇り空が続いた。
そんなある日、不思議な人だかりを見つけた。
なんだろうと近寄る。
どうやら、名前も知らない人が、とても頑張ったのに損をして、沢山努力したのにバカをみたらしい。
名前も知らない人の顔は、人が多くて、ここからは見えない。
この人だかりは、名前も知らないあの人の姿を見て、嘲笑う人や、哀れに思う人、興味本意でただ見てるだけの人、無関心な人、そんな人達で出来た人だかりだった。
その人達に紛れ、一傍観者として、そっと見ていた。
なんで嘲笑うんだろう…
なんで哀れに思うんだろう…
なんで見ているだけなんだろう…
なんで無関心なんだろう…
なんで…こんなに気になるんだろう…
ぐるぐる考えが回る。
面倒なのに、考えが止まらない。
人だかりの人達は飽きてきたのか、1人、また1人と散り始めた。
少しずつ人だかりが小さくなっていく。
名前も知らない人が、こちらに気付き、声をかけてきた。
声をかけられて、名前も知らない人と一傍観者の、たった2人しかいないことに、ようやく気付いた。
『あの、大丈夫ですか?』
言われた言葉をはっきり認識するのに、少し時間がかかった。
「…え?大丈夫かって…それは、貴方のほう…でしょ?」
たどたどしく言葉を返す。
『ん?そっか、心配してくれたんだね。ありがとう。でも、私は大丈夫だよ。』
「…!?」
なんで…。
なんで…、そんなに笑顔でいられるんだろう…。
なんで…。
なんで…、そんなに輝かしいんだろう…。
なんで…
なんで…
僕は……。
「…また、…損しても、…頑張るんですか?」
そっと尋ねてみた。
『もちろん。得する為に頑張ってるんじゃないから。頑張って、努力して、どんな結果でも自分自身が納得出来れば、他は関係ない。意味は頑張った自分の中にあると思うから。』
その言葉は、すごく強くて綺麗で、真っ直ぐ僕へと貫いていった。
『これは、君が教えてくれたことじゃないか。』
「…?」
『君は気付いてなかったかもしれないけど、私は、君がすごく頑張ってて、沢山努力してた姿をちゃんと知ってるから。』
『言葉で教えられたんじゃないし、結果で教えられたんじゃない。』
『君の頑張って努力してる姿が、自然と教えてくれた。あの姿を見て、私もそうなりたいって思った。』
『だから…、質問してきた答えは、きっと君の中にあるはずだよ。』
名前も知らない人が、僕だった時の僕を、知っていてくれた。
なんで…。
なんで…思い出せなかったんだろう。
なんで…。
なんで…僕じゃなくなってしまったんだろう。
なんで…
なんで…
僕は……。
僕自身を信じてあげれなかったんだろう。
瞳から一粒の滴が流れ、頬を伝う。
渇きに潤いを与えるかのように、足りなかった何かが満たされていく。
「そっか。答えは、僕の中に、いつだってあったんだね。」
曇り空から光が差しこみ、少しずつ光が広がっていく。
僕達は、導かれるように、晴れ渡る空の下へと歩き出した。
どんなに努力したってバカをみるだけ。
いつだってそうだった。
僕以外の人が得して、僕以外の人が褒められる。
なら、僕も…僕以外の人のようになりたい。
上手い言い訳を、まるで呪文のように、自分に言い聞かせていたら、僕は…僕じゃなくなった。
すると、得するようになった。褒められるようになった。
でも……
何かが、足りない。
理由を考えてみたけど、面倒になって、考えるのさえ、やめた…。
僕が僕じゃなくなった日から、曇り空が続いた。
そんなある日、不思議な人だかりを見つけた。
なんだろうと近寄る。
どうやら、名前も知らない人が、とても頑張ったのに損をして、沢山努力したのにバカをみたらしい。
名前も知らない人の顔は、人が多くて、ここからは見えない。
この人だかりは、名前も知らないあの人の姿を見て、嘲笑う人や、哀れに思う人、興味本意でただ見てるだけの人、無関心な人、そんな人達で出来た人だかりだった。
その人達に紛れ、一傍観者として、そっと見ていた。
なんで嘲笑うんだろう…
なんで哀れに思うんだろう…
なんで見ているだけなんだろう…
なんで無関心なんだろう…
なんで…こんなに気になるんだろう…
ぐるぐる考えが回る。
面倒なのに、考えが止まらない。
人だかりの人達は飽きてきたのか、1人、また1人と散り始めた。
少しずつ人だかりが小さくなっていく。
名前も知らない人が、こちらに気付き、声をかけてきた。
声をかけられて、名前も知らない人と一傍観者の、たった2人しかいないことに、ようやく気付いた。
『あの、大丈夫ですか?』
言われた言葉をはっきり認識するのに、少し時間がかかった。
「…え?大丈夫かって…それは、貴方のほう…でしょ?」
たどたどしく言葉を返す。
『ん?そっか、心配してくれたんだね。ありがとう。でも、私は大丈夫だよ。』
「…!?」
なんで…。
なんで…、そんなに笑顔でいられるんだろう…。
なんで…。
なんで…、そんなに輝かしいんだろう…。
なんで…
なんで…
僕は……。
「…また、…損しても、…頑張るんですか?」
そっと尋ねてみた。
『もちろん。得する為に頑張ってるんじゃないから。頑張って、努力して、どんな結果でも自分自身が納得出来れば、他は関係ない。意味は頑張った自分の中にあると思うから。』
その言葉は、すごく強くて綺麗で、真っ直ぐ僕へと貫いていった。
『これは、君が教えてくれたことじゃないか。』
「…?」
『君は気付いてなかったかもしれないけど、私は、君がすごく頑張ってて、沢山努力してた姿をちゃんと知ってるから。』
『言葉で教えられたんじゃないし、結果で教えられたんじゃない。』
『君の頑張って努力してる姿が、自然と教えてくれた。あの姿を見て、私もそうなりたいって思った。』
『だから…、質問してきた答えは、きっと君の中にあるはずだよ。』
名前も知らない人が、僕だった時の僕を、知っていてくれた。
なんで…。
なんで…思い出せなかったんだろう。
なんで…。
なんで…僕じゃなくなってしまったんだろう。
なんで…
なんで…
僕は……。
僕自身を信じてあげれなかったんだろう。
瞳から一粒の滴が流れ、頬を伝う。
渇きに潤いを与えるかのように、足りなかった何かが満たされていく。
「そっか。答えは、僕の中に、いつだってあったんだね。」
曇り空から光が差しこみ、少しずつ光が広がっていく。
僕達は、導かれるように、晴れ渡る空の下へと歩き出した。