その後も2人は変わらずいつものように接していた。
だが、お互いの心は平常心ではなかったようだ。
ただ、相手に心がわからないように接していただけのようだ。
その平常心を最初に相手に伝えたのは匠だった。
あれから1週間以上経ってから、匠と蘭はいつものように2人で語り合っていた。
しかし、その日はいつも以上に話が盛り上がり、授業終了後2人で居酒屋に行くことになった。
居酒屋に行こうと言いだしたのは匠の方からだ。
蘭はいつものように軽いノリで居酒屋に行くことに返事を出すと、匠はこっそり自分の背の後ろでガッツポーズをしていた。
蘭も実際は嬉しかったのだろう…。
居酒屋に行く前にお手洗いに行き、化粧直しをしてから匠と門で待ち合わせをした。
2人は大学の近くの居酒屋に行くことになった。
そこの居酒屋は個室の部屋が沢山あるところでカップルに人気の居酒屋だった。
蘭と匠はお互い表上ではいつもどうりに話しているが、心の仲はお互いに緊張している様子。
居酒屋につき、いつも通り乾杯をして、またいつもの会話に戻った。
しかし、蘭は今日は匠はいつもよりお酒の吞むペースが速いような感じがした。
匠は空になったコップを机の端に置き、次に呑むお酒を決めていると蘭が優しくお酒をやめるように話を持ちかけた。
「匠、今日ペース速くない?もう少し酔っぱらってるでしょ?やめなよ」
「大丈夫だって…。俺そんなに弱くないし…」
「弱くないのは知ってるけど…。心配だからさ、ね」
「俺のこと心配してくれるの?やっば、俺超うれしいー」
「えっ?どうしたの?やっぱ酔っぱらってるでしょ、匠」
「んなことねーよ。ってか、今日はわざと酔っぱらってるの。そうじゃなきゃ蘭と普通になんてもう話すことできないし」
匠の言葉に蘭はびっくりして、匠が持っていたコップが危なっかしくて、一緒に支えていた手が少しふれた。
蘭はコップから手を放そうとしたら、匠の反対の手で蘭の手を引っ張った。
そして、その反動で蘭は机に上半身を乗り出してしまい、そして目の前には匠の顔があり、蘭の目に映ったのは匠の唇だった。
蘭はキスされるのかと思ったら、匠の勢いもありすぎて、匠は蘭の鼻にキスをしてしまった。