━■ ~大前研一の視点~
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┗━┛『異次元緩和効果と金相場~現状の背景と実態を理解する』
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異次元緩和効果
新発10年物国債利回り 一時0.65%
金相場
金の国際相場が急落
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▼ 先進国へお金が流れ始めたというのは、全くの勘違い
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新発10年物国債の利回りは15日、一時前営業日よりも
0.03%高い0.65%まで上昇しました。
一方、東京証券取引所が18日発表した売買動向によると、
黒田総裁率いる日銀が「量的・質的金融緩和」を発表した翌週の
4月第2週に海外勢は日本株を1兆5865億円買い越し、
週間で過去最高を更新したことがわかりました。
このような事態を受けて、日経新聞は
「世界の投資マネーが新興国から先進国へ回帰し始めた」などと
報じていますが、私は賛同できません。
もう少し資金の性格を見抜いてから記事にすべきだと思います。
今、日本に流れてきている資金はサヤ取り業者の短期的なものです。
決して長期滞在型の資金ではありません。
買い越しのピークから売り越しのピークへの変化など、
一瞬で起こってしまうでしょう。
今、日本国債の利回りはかなり乱高下しており、
危険な状況だと私は見ています。
利回りが上がった時に一気に外国のヘッジファンドが仕掛けてくると、
今や外国人保有率が10%に達していますから、長期保有していた人も
不安心理に煽られて日本国債を売ってしまうでしょう。
すると利回りはさらに上昇し、暴落へのトリガーを引くことに
つながります。
日本の為替と株で昨年の秋から1000億円規模で収益を上げている
某ヘッジファンドの担当者と最近会う機会がありました。
彼らは民主党政権は長く持たないと踏んで、一般的な日本人よりも
先に動き始め、円安が進行し、うまく儲けることができたという
ところでしょう。
安倍総理の政策を信用して預けようという、
長期滞在型の資金ではありません。
米国にお金が戻っているのは、本当だと思います。
シェールガス革命の影響を考えれば、頷けるところです。
しかし日本の場合は違います。
そもそも全世界に4,000兆円もあるホームレスマネーのうち、
7兆円が日本に流れたからと言って、先進国へお金が流れ始めた
などと言うのはおかしな話です。
しっかりとそのお金がどのような性格を持っているのかを
見抜く目を持って欲しいと思います。
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▼ 金相場も日本円、日本国債と同様、荒れ始めた
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金相場は12日、米大手金融機関が大量の売りを出したという情報が
市場に流れたのがきっかけに週明けの15日も大幅な下落が続き、
下げ幅は2日間で200ドルを超えました。
2000年からずっと上昇傾向にあった金の価格が、1,800ドルに
迫る勢いから一転、1,500ドルを下回る日も出てくるという、
急激な下落傾向を示しています。
CNNの番組では、金のトレーディングに25年間携わっている人が、
「あんな動きを自分は見たことがない」と、先日のわずか2日間で
200ドル以上の下落をした相場に驚きを隠せない様子でした。
金相場は必ずしも日本の影響ではなく、キプロスの影響も
大きいと言われていますが、金、日本円、日本国債の相場が
少し荒れ始めているのは確かです。
サヤ取り業者は何かしらの信念を持っているわけではありません。
すなわち、安倍総理と黒田日銀総裁が正しいと信じているわけでは
ないでしょう。
今は乗っかったほうが儲けやすいと思っているだけです。
タイミングが来れば、あっさりと離れていくことは明白です。
おそらく黒田総裁がきちんとした出口戦略を持っていないと踏んで、
自分たち自身で明確な出口戦略まで考えていると思います。
日本円、日本国債、金相場といったものの動きを見るとき、
日本の報道機関などを見ても視野が短期的になりすぎる
傾向があります。
もっと広い視野で見て、なぜそれが起こっているのか?
を自分で考えられるようになってほしいと思います。
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この大前研一のメッセージは4月21日にBBT Chで放映された
大前研一ライブの内容を抜粋・編集し、本メールマガジン向けに
再構成しております。
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▼ 今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか。
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海外投資家による日本株の買い越しが進んでおり、
多くの資金が日本に流れ込んでいるようです。
しかし、現在日本に集まっているのは、短期的な性質を持ち、
すぐに引き上げられる可能性のあるお金。
今回大前は、そうしたお金が持つ背景や実態を
理解した上で、国債、為替、金の値動きを
解説していきました。
一時的なトレンドに左右されないためにも、
今起きている出来事の背景や実態を理解する
努力を怠ってはいけません。
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