セーフティー・リサーチ・アンド・ストラテジーズのプレジデントで、トヨタに対する訴訟で原告側弁護人を支援していたショーン・ケーン氏は、意図しない加速問題に絡んでその他複数の訴訟をトヨタが抱えていることについて、「費用が10億ドルに達するような訴訟ではなく、大きくても百万、もしくは数百万ドルであり、トヨタといった企業にとっては取るに足らない額だろう」と指摘した。
製造物責任問題が専門の弁護士(在ヒューストン)であるリー・カプラン氏は、訴訟では原告側もトヨタ車の欠陥を証明する必要があり、苦しい法廷闘争を迫られるだろうと指摘。「真に科学的、もしくは技術的な観点に基づいた証明がなければ、トヨタに評決を下すのは難しいだろう」と述べた。
当時、加速問題をめぐるリコールや関連訴訟は、品質や信頼性で長い間評価を得ていたトヨタにとって青天のへきれきであり、豊田章男社長は公の場での謝罪に追い込まれた。
トヨタは、加速問題をめぐって最も注目された集団訴訟で11億ドル(約940億円)を支払う和解案で合意したと発表した。関連のリコール問題では、2010年度に20億ドルの減益要因となった。
カリフォルニア州連邦地方裁判所判事は12月28日に、和解案を仮承認するかどうか審査する。ただ、最終承認や和解金の支払いは数カ月先になる可能性がある。
今回の和解案に含まれない訴訟は、トヨタが個別に対応することになる。
6月のトヨタ側資料によると、その件数は300を超える。1件目の訴訟は来年2月にカリフォルニア州連邦地方裁判所で審理される予定で、中にはユタ州で2人が死亡した衝突事故も含まれる。
ただ、ヒューストンにおける死亡事故をめぐる訴訟は昨年、証拠不足で取り下げられたほか、カリフォルニア高速パトロール隊に所属していたマーク・セイラー氏の一家死亡事故をめぐる訴訟は、2010年終盤に1000万ドルで和解が成立した。
<「トヨタは打たれ強い『テフロン』企業」>
意図しない加速をめぐる2009─2011年のリコール問題では、トヨタの評判は傷ついたものの、今年に入ってからのトヨタの販売は約29%増え、業界の伸び率14%を上回っている。トヨタの米国市場におけるシェアも昨年の12.7%から14.4%に高まっている。昨年のトヨタの販売は東日本大震災によって影響を受けていた。
意図しない加速問題がトヨタの米国販売全体に及ぼす影響は、現在のトヨタユーザーが買い替え時期を迎えるまで、数年間は測ることが困難かもしれない。
だが、アナリストらは、トヨタが既にイメージの悪化を払しょくしたように見えると指摘する。
自動車調査会社エドマンズ・ドット・コムのアナリスト、ミシェル・クレブス氏は「トヨタは打たれ強い『テフロン』企業だ」と指摘。「消費者は(リコール問題を)気にしていないようだ。依然としてトヨタ車を購入し続けている」と述べた。
(記者 Ben Klayman and Casey Sullivan; Additional reporting by Bernie Woodall and Deepa Seetharaman in Detroit and Dan Levin in San Francisco;翻訳 川上健一;編集 田中志保)
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