歳と声楽はしっかり関係します。
10代だとまだ若すぎ。
20代でだんだん魅力がでてきて、男性のオペラ歌手の一番いい時期は
40代~50代前半なのではないかと思う位、
声とはゆっくり成長するもののようです。

先日、民放局で往年の(って言っちゃいたい)オペラ歌手が
「この仕事をしていくら稼ぎました」なんていうちょっと下世話で、面白い(笑)
番組に出ていました。
そして、ちょっと歌ったんです。

以前、彼女のCDも持っていたし、
コンサートにもいったことがありました。

がっくりしました。
すごくショックを受けました。

彼女は50代前半。
以前新聞に連載されていた彼女のエッセイでは、
毎日のように何キロか泳ぎ、体力をつけ、
声のために一生懸命になっている姿が綴られていました。

そんなに努力しているのに、声はこんなになっちゃうんだ!!!という状態でした。
それは、その日の体調によるものではなく、
明らかに声を出すための器官や、筋肉による衰え。
腹筋がおかしいので(と思った)、ロングトーンが微妙に下がるのです。
多分、声帯もおかしいと思う。
微妙に音が違うんです。

わたしが最初に声楽を習った先生も、そんな感じだったので、
特に女性の生徒さんは「50歳あたりに大きな壁があるらしい。」と
戦々恐々と加齢を恐れていました。

その後、いろいろな先生に教えていただく機会をもつようになり、
そのあたりの年になっても、油がのりきった美しい歌を歌われるソプラノを
何人も聞いて、
声の衰えは、絶対的なことではなく、
個人の歌い方、あるいはテクニック、病気の有無、
プロフェッショナルになっても聞く耳をもつ柔軟さなどを含めた性格、
などに関係するものだと認識しました。

とはいえ、やはり大御所といわれる、某オペラ歌手の声を久しぶりにきいて、
やはりこういう人もいるんだよなあと感じました。

まあ、わたしは下手な横好きのアマチュアなので、
楽しんでいけばいいだけなのですけどね。

声って難しいなあ。