Mシネマ―TETSUYA―
TETSUYA
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第37話「ビッグウェーブ」

「て、鉄矢!!!」


ザワ ザワ ザワ ザワ


「伊集院くん!山田さんのブルマー早く返したりなさい!体育の授業でけんやないの!!」


「!!え!?」


「風間くんから預かってる山田さんから盗んだブルマーよ!!」


「え!?モリマンが盗んだ!?預かってる??ブルマー!?」


鉄矢は、全く状況が把握できず軽くパニックに陥ってしまっていたんや。

そして―

「鉄矢!裏切るような真似したら承知せんど!」

戸惑う鉄矢の脳裏に先日モリオに言われた事がよぎり


「いえ!風間くんは盗んでいません!今、ここにありますのは、山森氏から頼まれ私が盗んだブルマーしかありません!!」


「!!!!!!!!!!!」

見事わぇを裏切っった!!



「やっぱり、山森くんやったんやんかぁ!!…は!!もしかして他にも、縦笛の先っちょなくなったり帽子のアゴひもだけなくなったりも山森くんちゃうん!? 」

「はい!そうです!それも、これも、盗難及び変態行為等はすべて山森氏からの指示により私、鉄矢が行いました!風間くんは一切関与しておりません!!」



もはや、スイッチの入った鉄矢を誰も止めることはできなかった


「うっわ!マジかよ!?変態!キモ!山森、キモ!」

「キモ!山森、キモ!ミノっちキモ!………!!!」



わぇは、嵐の如くどえらい罵声を浴びせられた

確かに変態指令をだしたのは、わぇやけど実行犯は鉄矢やのになんで、わぇばっかりと思てたら……

さらに、もっと納得いかんことが―――


「けど、モリオくんは立派やなぁ!こんなどうしようもない変態の山森をかばって自分が罪をかぶろうとするなんて」


「ほんまや!ほんまや!鉄矢が全部しゃべらんかったら、モリオくんがこのまま変態のレッテルつけられて細々と生きていかなアカンかったていうのに」


「そやそや!鉄矢もよぅ言うてくれた!2人にあっぱれや!2人の友情パワーに万歳や!」


「ワッショイ! ワッショイ!」

「ワッショイ! ワッショイ!」


なんで、こないなるんや!わぇは、頭と足の裏がくっつくかと思うくらいに唇をかんだ……


そして思わぬ脚光を浴びたモリオは

「いやいや、ミノっちは変態がたまにキズやけど根は悪い奴とちゃうんやけどなぁ!どうにか、これを機に更生してへほしいなぁ」

などと言い


「ほんまやなぁモリマン。おれらの友情パワーで、こっち側に戻したろうや!」

同罪のハズの鉄矢も、なんでかそっち側で盛り上がりわぇだけが悪者になった


「ええど!モリオ!鉄矢ァ!!」

「カッコイイ!風間くん!ついでに伊集院くんも!」

「長年、教師やってるけどこんな友達想いなコらは初めてやわ!ええモン見せてもろたわ!ありがとうね!」


クラスの奴も教師も全員アホやアホばっかりや!!

わぇは、どうしようもない怒りをその場はグッと押し込め、
後ほど正気に戻り謝りにきた鉄矢を表面状、許すことにした

復讐という名のビッグウェーブを待つために……


つづく

第36話「身代わり」

わぇに、容疑の目が向けられたときモリオが
我こそはと身代わりをかってでたんや



ザワ ザワ ザワ ザワ


「か、風間くんか!?盗ったんは!?」


「は、はい!おれがやりました!ミノっちは盗ってないです。ミノっちは塾女しか…五月みどりや、かたせ梨乃クラスしか燃えないんです!だから盗ってません!」


「…モ、モリオ…」

モリオは、とっさにわぇを塾女好きでコーティングして、うまいことわぇの容疑を目立たなくしよった…

けど……


「分かった分かった!ほなら風間くん、さっさと山田さんにブルマー返して謝りなさい!」



「え!?あ!いやその…」

身代わりをかってでたのは良かったもののモリオはこのことを、なんも知らん

ブルマーを持ってるのは鉄矢で、モリオは当然ブルマーを持ってるハズがなかった


「あ!そ、そうや!て、鉄矢に一時的にブルマーを預けたんです!」


その日、鉄矢は結膜炎かなんかで目医者へ行ってて
まだ学校に来てなかった

その鉄矢にいったん窮地を預けその場をすり抜けようとしたモリオやったんやが


「え!? 伊集院くんが、持ってるの?つーか伊集院くん目医者いくから、ちょっと遅れるいうて連絡あったのに……」


―― とその時 ――


ガラッ!


「すみません遅れました!」

タイミング悪く鉄矢は登校してきたんや

もはや、わぇは他人事のようにその場を見ることしかできんかった



「て、鉄矢!!!」



つづく

第35話「一本気」

「オイオイ!やめぇモリオや!鉄矢は別に浮かれてないやろ!?好調なすべりだしを素直に喜んだれよモリオや!」


「アカンアカン!甘やかしたらアカンよ!ミノっち!調子にのるから!この手のタイプはぁ!いつか義理も忘れて噛みつきよるでぇ!」


モリオは一本気な性格で義理と人情を重んじ
わぇへの忠誠心は、凄いもんがあった――



「モリマン!おれ、そんなことせぇへんよ!山森スピリット忘れへんよ!信じてやモリマン!ミノっち!」

鉄矢はモリオのことをモリマンと呼んでいた


「もうエエ!分かった分かった!モリオも、もうエエやろ!?鉄矢もこう言うととるし仲良くやろや!」


「…フン!まぁミノっちがそういうんやったらエエけど、おい鉄矢!お前裏切るようなことしたら承知せんど!!」



そう言うてモリオは若干内股で帰っていった――



「モ、モリマン………な、なぁミノっち!おれなんか悪いこと言うたかな…?」

「いやいや鉄矢はなんも悪ないよ。モリオの事は、気にすな。わぇがよぅ言うとくから…それより鉄矢…邦子のブルマーは、どないなっとるんや?ん?」


「フフフ…そろそろ聞かれるやろな思て、はい!ミノっち!」



わぇは、度々こうやって鉄矢にクラスの女子のブルマーや縦笛を盗ませてプライベートを楽しんでいた



「おお!鉄矢よぅやった!やっぱお前はできる奴っちゃで!エライ!エライ!」

「な?だから信じてや!おれのこと…絶対裏切れへんから……」


「分かっとる分かっとるがな!モリオのやつが、ちょっとおかしいだけなんや!鉄矢はよぅやっとる!」


「ありがとう!ミノっち!これからもおれ頑張るから頑張るよってにィ!」



そして事件は起きた―――



「あれ!?鉄矢は今日は休みけ?」

「あぁ、なんか目医者行ってから遅れて来るみたいやで」


「あ、そうなんや。」



1時間目の体育の前のことやった――


「……!?な、ない!?また私のブルマーなくなってる!このまえ失って一昨日買ったばっかりやのに!」


ザワ ザワ ザワ ザワ


「絶対、誰か盗んだんや!誰よ!?このクラスの誰かやろ!?男子やろ!?またお母さんに怒られるやんかぁ返してよ~!」


やっぱ、一人一着にしとくんやった…けどなんか邦子のブルマーは2着は持っときたかったんや…悔やまれる一手やったわ――By山森みのる


「どうしたん!?何を騒いでるの?ん?」


「先生!邦ちゃんのブルマーを誰かが盗んだみたいです!」


「ええ!?ホンマに!?」

「今回で2回目みたいです!」


「コラ!山田さんの、ブルマーを盗った人、早よ返しなさい!!今やったらグーは勘弁したるから早よ返しなさい!!」



シ―――――ン



「ほら!早よせぇな体育の授業でけんやないの!!」


「先生つーか山森くんが盗ったんちゃうん?家変態グッズ売ってるし」


ザワ ザワ ザワ ザワ


「え?山森くん!山田さんのブルマー盗ったん君か?ん?」


「え?い、いや…わぇ…」

わぇは知らぬ存ぜぬを押し通したろ思てたけど
いざ、大人の威圧感を前にすると動揺してしどろもどろになってしまった


が、その時――


「先生!!お、おれです!おれが盗んだんです!山田さんの事が好きで山田さんのブ、ブルマー盗ってしまいました!スイマセン!」


モリオが、わぇの代わりに名乗りでたのだった――



つづく
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