マルへ
マルがうちにきたのは17年前かな
あのときおれは中1だったんだなぁ
ちっちゃくてやんちゃでうるさくて
でもとにかくかわいくて
庭でちょうちょを跳ねながら
追いかけてたのを昨日のことのように
思い出すよ
よく脱走して家族みんなに心配
かけたよね
近所でもよく脱走するって評判で
いろんな人がうちにマルを届けて
くれたよ
おれがサッカーで家にいないとき
マルが脱走してパチンコ屋に二回も
入っていったって聞いたとき
すごくびっくりしたけど
当時よくパチンコに行ってたおれを
探しにいってくれたんだって思って
すごく嬉しかったよ
千葉の家でも脱走したよね
予備校の帰りに踏切の側でマルに
よく似た犬がいるなぁって思ったら
しっぽを振って嬉しそうに
寄ってきてくれたよね
おれが東京に行ってからは
あんまり会えなくなって
おれも自分の生活のことばっかで
マルのこと考えてあげられなくて
きっと寂しい想いしてたよね
あの頃に戻れるならもっともっと
マルといっぱい遊んであげたいな
もっともっとマルが行ったことない
ところに連れていってあげたいな
おれが市原に行くことになって2年間
マルに会えなくなるってわかって
その時もうマルは15才だから
生きてるうちは会えないのかなって
市原にいるときは毎日マルの写真見て
早くマルに会いたいって思ってたんだ
地震があったとき正直もうダメだと
思ったんだ
でもマルは生きておれの帰りを
待ってくれてたよね
すごくすごく嬉しかった
仙台のうちに帰ったときマルは優しく
迎えてくれたよね
仙台に帰ってから今日まで8ヶ月半
一緒に出掛けて一緒にご飯食べて
一緒にテレビ見て一緒に寝て
本当に幸せだったよ
夜遅くにマルがお腹空いておれのこと
起こすためにおれの顔にのっかって
おれは眠いからマルのことどかして
でもマルも諦めずに顔にのっかって
そんなことも今ではすごくいとおしい
瞬間だよ
今日の朝ふと目が覚めると
外はもう明るくてあれって思って
いつもならマルが夜にお腹空いたって
吠えるのにって
そしたらもうマルは天国に行ってた
すごくびっくりしてはじめはすごく
自分を責めたけどマルはきっと
そんなこと望んでいないはずだって
だからちゃんと前向いていこうって
思ったんだ
明日には本当にお別れになっちゃう
けどおれとマルの17年間は大切な
思い出だしおれは死ぬまでマルのこと
忘れないからずっとずっとおれの中で
マルは生き続けるんだよ
おれはこれからマルのためにも
一生懸命勉強して立派な人間になる
マルのおかげでこんなに立派に
なれましたって胸張って言えるように
なるから
本当に今までありがとう
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