お金を増やす方法その1-1 お金を貸す
お金を増やす方法として、一つにはお金を貸すということが考えられる。
この方法は、知人にお金を貸すことだけではなく、日ごろから気づかずに行っていることでもある。
これについて、今日は考えてみよう。
お金を貸すのに重要なのは、貸す相手と貸す期間
ある人にお金を貸す場合、貸す相手と、貸す期間が重要になってくる。
たとえば、「この人は返してくれなさそうだ」という人には貸したくない。一方、返してくれそうな人であれば、貸しても良いかな、と考える。
また、返してくれそうな人に対しても、1日貸してくれ、と言われれば貸すかもしれないが、1年貸してくれ、といった場合には、「1年後にはどうなっているか分からないよ」ということで、貸したくなくなってくる。
つまりは、「貸す相手」と「貸す期間」によって、「返してもらう確かさ」が変化してくる。
ここで、一つの考え方が、「返してくれそうもないのであれば、利息を多く貰おう」、さらには、返してもらえなければ、「十分利息で元が取れるようにしよう」、という考え方である。
預金も国債などの債券も、私たちがお金を貸している
お金を貸すといっても実感が無いかもしれないが、銀行に対する預金も、国債などの債券を買うことも、表現が違うだけで、それぞれ銀行、国などにお金を貸しているに他ならない。
同じお金を貸しているにもかかわらず、金利が違う理由が、先ほどの貸す相手と貸す期間に関わってくる。
また、貸すための条件に対する自由度(オプション)によっても影響が出てくる。
さあ、徐々に掘り下げよう。
貸し手/借り手の条件と、設定金利 - 普通預金
銀行に預ける預金であるが、普通預金であれば、いつでもお金を引き出すことが可能である。
言い換えれば、私たち貸し手が、貸し出し期間を「いきなり」変更ができる「オプション」を持ったお金の貸し方である。借りる側(銀行)にとっても、あまりアテにはできない借金となるわけだから、あまり利息をつけたくはない。言ってみれば、一日借りて利息はいくら、という考え方に近い。借りた側の銀行が運用するには難しい借金であるため、私たちがここに高い金利を望んだとしても、期待してはいけない。
(銀行の実情からすれば、単なる普通預金はアテにならないものの、給与振込み口座、XXX引き落とし口座となってくると、ある程度の確度を持って運用が可能となる。引き落としが見えていて、収入を抑えている口座であれば、給与振込みから、引き落としの間までは、少なくとも引き落とし額は口座に残されると考えられるからである。)
さあ、ここまでは良いとして、普段私たちが行う普通預金の誤った使い方が多いことに気がつかれたであろうか。
銀行にお金を貸す(預金する)ときに期待される「本来の金利」があったとして、その関係を単純に書けば、
本来の金利=いつでも引き出せるオプション+普通預金金利
となっている。引き出すアテが無いのに、いつでも引き出せるオプションを得るために、無駄に利息を減らしているのである。
資産を運用するにおいては、この「いつでも引き出せるオプション」をどれだけ買えば良いのか、つまりは、普通預金にどれくらい残しておけば良いか、というのが、まず最初の出発点になる。
とりあえず、今日はここまで。