お義母さんがくも膜下出血で倒れて
ICUに入ってから4日が経った。
いつどうなってもおかしくない状態だが
小康状態が続いていた。
朝、病院に着くと医師から
「状態が落ち着いているので
面会の特別条件を解除します。
明日からは一般の方と同じように
1週間に2度、2人までとします。
家族待合室の使用も今日までに
なりますので。」
と言われた。
お義母さんは、今すぐどうこうという事は
無いという事なのかな?!
みんな少し気が抜けた
県外に住んでる義姉は
「それなら一度、家に帰ってこようかな」
と、言いながらとりあえず実家へ戻る。
私達は
「明日から会社に出社しよう。
仕事が溜まりに溜まってるはず」
と、話しながらいつもの家族待合室へ向かった。
家族待合室で過ごす時間にも
変に慣れてきてしまった所だった
この大学病院の中には
手作りパン屋さんやおにぎり屋さんや
コーヒーチェーン店も入っていたので
お昼の時間に何を食べようか
楽しみになっていた
おにぎり屋さんも注文受けてから
目の前で握ってくれるから美味しい
パンも美味しいので
ついつい買いすぎてしまう
お昼ご飯を食べ終わり、
のんびりしている時だった。
家族待合室の内線が鳴った
ドキドキしながら電話に出る。
「〇〇さん(義母)の
心拍が少し下がったので
念の為に
ICUにお越しください。」
看護士さんがとても落ち着いた口調だったので
「まぁ、一時的にかな?」
と、私達もそんなに慌てることなく
ICUに向かった。
ICUのインターフォンで名前を名乗ると
「お入りください」
とドアが開いた。
生体情報モニターの
エラー音が鳴り響いていた。
モニターに表示されていたのは
心拍数 0
え?え?
さっき、内線では
心拍数が【少し】下がったって。。。
【ゼロ】とは聞いてないですけど
「お義母さん!お義母さん!」
何度も呼びかけた。
すると看護士さんではなく医師が
お義母さんのそばへ来た。
次、心臓が止まった時には
延命措置はしない。
そう、話していた。
「それでは今から
人工呼吸器を外して
心音、呼吸音、瞳孔、
対光反射の状況を
確認させて頂きます。」
え?それって、あれ?
もう、死亡確認とか
そういう事なの?
落ち着いた状況だって
言ってたじゃん?
その場には、私と旦那と娘の3人だけ。
「え?え?
ちょっとまってください!
父も今、来ていません。」
医師は
「ご家族の方ですよね。
お立ち合いお願いします」
と、言った。
このための家族待合室という事か。。。
私達はのんびりした昼食後からの
突然の事に動揺しまくっていた。
すぐに義姉へ電話!
「お義姉さん
お義母さんもう心拍ゼロ!」
私はもう涙が止まらない。
電話の向こうの義姉はとても冷静だった。
「そうなんだね。
今、父と向かってるから
申し訳ないけどよろしくね。」
もう覚悟はできている様子だった。
そして、医師が人工呼吸器を静かに外した。
呼吸をして上下していたお義母さんの胸は
ピタッと止まった。
自発呼吸ではなく、
機械で呼吸させていた現実を
目の当たりにすると、とてもショックだった。
「心音無し、呼吸音停止、
瞳孔の拡大、対光反射消失を
確認しました。
死亡時刻は13時45分です。」
お義母さんは
天国へ行ってしまった。
私達3人はお義母さんのそばで
泣きながら立ち尽くした。