モンゴル遠征報告 vol.4
『Great Mongolia Gobi Desert Marathon 2013(6days250km)』
ステージ3日目!
■ETAP-3
■48.515km(2013/9/18)
photo by SSER akira akamatsu
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砂漠を抜けたら、オオカミが住むといわれるパワーを感じる岩山に圧倒されながら、足を進める。
とにかく、地球のパワーを感じるステージ。
ただ、やはり3日目。それなりの疲労を感じる。
砂地、草原を抜けだすと、ピストと呼ぶジープ道の小刻みなアップダウン。
景色は飽きないが、モンゴル人の二人に着いて行くのが少々きつく感じる。
このアップダウンが20kmほど延々と続くルート。
そのきつさを必死で隠しながら、表情に出さないように、足を進める。
がまんがまん。
ラスト15kmは、下り基調のコース。
ガマンした甲斐があり、得意の下りになると足が動きはじめ、ここでロングスパート。
■ETAP-3■48.515km■4時間42分16秒■1位
ただ、心配な出来事が。
後半15kmの下り坂で、果敢に攻める走りをしたこともあり、足親指先に水ぶくれ。
消毒液を付けた安全ピンで水を出し、消毒。
徐々に、足もむくみ出し、ゴールした後、テントの中で如何にして過ごすか。
EMU OIL ☆supported by Emu Spirit(株ライジング)
この日は、野外での夕食がはじまった途端、土砂降りの雨。
強い雨のテント、、、雨音、本当に心細い。
早く、朝が来てほしい。
そう思いながら、眠りにつきましたzzz.......
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ステージ4日目!
■ETAP-4 ■42.508km(2013/9/19)
photo by SSER akira akamatsu .
昨夜の雨がうそのような青空。
朝食はam6:00。スタートはam8:00。
この2時間でも大きな気象状況の変化がある。
太陽が昇る瞬間は、とにかく冷え込む氷点下。
7:00を過ぎると太陽が昇り始めるが、その一番寒い時間帯にテント撤収。
薄らとテントの水滴が凍りつく瞬間を目の当たりにした。
凍えそうな手をハーハーしながら、テントと荷物を大急ぎで取りまとめ、スタート地点へ向かう流れ。
photo by SSER akira akamatsu.
この日も40kmを超える長丁場のステージ。
28km過ぎに、村が見えてきたら大きく左折するところを、バリースを見失いミスコース。
私、モンゴル人ランナーの3名で途方にくれる。
果てしない草原の中で、取り残された3人。
このまま、ルートにも戻れず、発見されなかったら・・・。
不安と恐怖が頭をよぎる。
フッと足元を見ると、白骨化した馬の骨。。。
コンパスを出し、方向を確かめていると、ようやく遠くにオフィシャルカーが。
約6~7km、時間にして30~40分のロス。
このロスを取り戻すために、後半15kmはハイペース。
向かい風の中、一人、二人と脱落して行く中、がまんの走り。
気持ちも焦りから、明らかにナーバスになる。
photo by SSER akira akamatsu.
それは、負けん気が強い遊牧民ランナーも同様のようで、何度も腕、足が当たり、絡まり、二人とも大きく転倒しそうになりながらの走行。
ミスコースからも共に追い上げ、強風にも共に競り合い、最後の最後2kmぐらい駆けあがる上り坂で勝負。怒涛の4日目がやっと終わった。
■ETAP-4■42.508km■4時間28分55秒■1位
42kmのステージだけど、ミスコースもありトータル50km近く走ってしまった・・・
ゴール後は、低体温とハンガーノックアウトで、震えが止まらず60分ほど、ブルーシートに絡まって、ゆっくり胃にモノを入れながらカラダを落ち着かせる。
とにかく風が強い。
カラダが動くようになり、ようやくテントの設営。
早く、テントを建てて暖を取りながらカラダを休めたい一心。
強風に手こずりながら、と同時に昨夜の雨で濡れた表面を一気に乾かす作戦も!
TENT☆supported by アライテント
風速1m/s増すごとに体感温度は約1℃ずつ低くなっていく。
とにかく風が強い。ダウンを着こみながらの設営。
暑くて暑くて仕方ない。
温室と化すテントの中では、休んでいられない。
1時間後には、半袖短パン姿(笑)
ちょっとカラダをほぐして、分岐鎖アミノ酸を投入して、筋繊維修復。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)☆supported byパワーナビ
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この日は、夕方まで、通訳の方を通し、モンゴル人ランナーと話す時間があった。
参加者の中に、元モンゴル国代表の57歳になるマラソンランナーがいた。
モンゴル国代表として、1990年代のアジア大会フルマラソンで活躍していた元モンゴル国記録保持者。
現在は、指導者としても活躍しているようで、たくさんの弟子がモンゴル国内にいるとのこと。
その弟子の一人が、連日トップグループで走っている遊牧民ランナー。
トレーニング内容を聞いたが、とても科学的とは言えない内容。
100km走って、100km戻ってくるとか・・・。
とにかく走りこまないと、勝てないと・・・。
科学的ではないが、わかる気もする笑
しかしながら、標高1,300~1,500mで生まれ育ち、子どもの仕事として、雄大な草原で馬や羊を追いかけるライフスタイルは、強靭な心肺機能を知らず知らずのうちに備え付けていることは確かですね。
最近、日本でも有名なモンゴル人のマラソンランナーと言えば、、、
ミズノレーシングチーム所属 のセルオド・バトオチル選手ですね。
2011年の防府読売マラソンで、川内選手を抑えて優勝 。また、2012年の大阪マラソンでは、中国電力の佐藤敦之選手を抑えて優勝 している強いランナーです。
アフリカ勢と同じように、アジア(モンゴル)にも、まだまだ眠っている強靭な身体能力(心肺機能)を有するスーパーアスリート予備軍がいるのがよくわかりました。
科学的にプログラムが組まれたら、、、想像しただけでワクワク感です。
遊牧民ランナー強い!
風が収まれば、寝袋も干します♪
寝袋(シュラフ) ☆supported by 株キャラバン Sea to Summit
明日は、いよいよレース中で一番長い距離となる約57kmのロングステージ。
明日に備え、しっかり食べなくちゃ!と夕食(19:00)をいただこうとテントを出る。
急に寒気が・・・。ダウンまで着こんでいるのに。
とにかく震えが止まらない。ガクガクがくがく、全身の震えが止まらない。
口にモノを入れても、震えで、噛むことすらできない。
同行している日本人ドクターに相談し、熱を計ると39℃。
一瞬、頭が真っ白になった・・・。
とたんに、震えがピタッと止まり、全身がカーッと熱くなった。
「ここで、終わり・・・なのか。。」
「いや!今、できることは?」そう自身に問いかけた。
「まだ終わっていないだろ?」そう自身に問いかけた。
ドクターにも必死で、諦めていない姿を、明日を考えている姿を、しっかりした受け答えを見せた。
その姿を見てか、ドクターも全力で、私にアドバイスをしてくれているのがわかった。
いまできること!日本から自身で持参してきた、解熱剤を飲み、すぐにテントに戻り、寝袋へ潜り込んだ。
次々と浮かんでくる不安を打ち消すため、必死で明日の朝、スタートラインに立ち、約57kmという長い距離を走り終える自身の姿を何度も何度もイメージした。
「大丈夫、大丈夫!明日も走れる。」
何百回、何千回と唱えながら。
気が付いたら、眠りについていたようで真夜中。
全身、絞るような汗で目が覚めた。
すぐに全身、着替えて、再び寝袋に潜り込む。
再び、呪文を唱えながら。
「大丈夫、大丈夫!明日も走れる。」
何度も唱えながら。
汗が止まると、自然と涙が流れ出してきた。
不安なイメージが浮かび上がっては、それを意識的に抹消した。
「大丈夫、大丈夫!明日も走れる。」
photo by SSER akira akamatsu.
明日は、ステージ一番の長丁場。
■ETAP-5■56.910km(2013/9/20)
つづく♪
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