入院説明で、入院迄に歯科受診をするようにと言われていたので、歯科を受診することにした。

実はオペが決まる以前から歯が折れていて、治療したかったのを放置していたのも気がかりだったのだ。

放置していた理由

多忙だったことや生活リズムが不規則なため、歯科に行けなかったこと。それに加え、新型コロナウイルス感染症の感染者が拡大するにつれ、歯科に行きたくても行けない状況下になってしまい、受診することを躊躇われたことだ。

しかし、ずっと痛む歯を気にしながら我慢していたのだけれど、やっと行く理由が出来た。

かかりつけの歯科で全身麻酔でオペを受けることになったので、ぐらついている歯を抜いて治療をして欲しいと申し出た。

ぐらついているのは奥歯なので、挿管で折れる心配はない歯なのだが、とにかく抜きたかった。

歯科医師に因みにオペする部位は何処?と聞かれたので、副甲状腺だと説明すると、折れた歯が原因で細菌が出来て、口の中から細菌が入り他の病気にもなるといけないので抜歯し、口腔内のケアもしましょうと云うことになった。

歯科医師が云う

傷口などから

細菌が血液にまわってしまう

病気について


歯科的には、口の中の菌が血液内に侵入し、菌血症
といった一過性の感染から、敗血症という重篤な全身の病気になることがある。

菌血症とは、

口の中の外科的処置(観月処置)によって、血液内に一過性に細菌が侵入して血液中に細菌が回ることがあり、抜歯などをおこなうと、一時的に菌血症になるという。

血中で菌の増殖はなく、大部分は無症状に経過。菌は体の免疫力によって消失する。ごく稀に、抜歯などの観月処置後に、発熱、発汗、全身の倦怠感が一時的に見られることがある。

ERで搬送されてくる患者の中で、口腔内を診察する事があるのは、それらを観察するためだろうと推測される。

傷口から細菌が血液中に侵入しただけの状態を菌血症といい、この細菌感染症が全身に波及してしまった重篤な状態を敗血症という。

敗血症になると発熱、顔面皮膚症状、頭痛、痙攣などの神経症状、頻脈、不整脈などの循環器症状、呼吸数増加、胸痛などの肺症状、食欲不振、便秘、下痢、黄疸などの消化器症状、ショックからの多臓器不全などを引き起こす。

<ある症例>

・所見
顔の腫れ、意識レベル低下、CPR(炎症反応)、白血球の高値

・原因
顎の上顎洞の治療部から侵入した細菌に感染し、肺まで入り込んだとみられる。
痛みがあったのにも関わらず暫く放置、多忙で不規則な生活がたたり免疫も低下、その傷口から細菌が侵入し重篤な細菌感染を引き起こした。

上記にある症例を見ても、治療中の歯を放っておくと、思わぬ病気を引き起こすことがあり、忙しくても継続して最後まで治療することが重要だということが分かる。

☆入院予定の患者への注意事項まとめ

術後の肺炎などの合併症について
呼吸の入り口である口腔内を術前にケアするのは、術後の合併症を予防するため。

手術する際の気管への挿管について
まず行われる気管挿管(気道の確保)とは、口の中に喉頭鏡を用いてチューブを気管に入れて固定する措置。
喉頭鏡が前歯に当たると、その当たり方や程度により前歯が折れることがある。その為、特に上顎の前歯はその確率が高くなるので、歯科でチェックしてもらうこと。

人口呼吸器関連肺炎について
人口呼吸器を付ける事で、気管チューブ(カフ)と気管の隙間から口や喉の細菌を含む唾液が肺に入り、肺炎を引き起こす。術前より口腔内の細菌を減らしておくことで、発症を軽減させることが出来る。

口は呼吸器と消化器の入り口。その為、侵襲の大きな消化器や呼吸器の手術時に口腔内が汚れ細菌数が増えると、手術部位の治療の妨げになり、肺炎を併発する危険性が伴うこと。

不顕性誤嚥といわれる、睡眠時などにむせたり、咳き込んだりすることで、無意識の間や不可抗力な理由により、唾液が食道に流れず気管に流れ、唾液中に混ざる細菌(特に肺炎菌)の数が多くなる。これらの事が誤嚥性肺炎の主な原因とされている。

この肺炎は呼吸機能の低下、咳反射の低下、術後、高齢者に多いこと。


説明をきちんと聞き、理解し、手術に臨むために、事前に注意すべきことを守り、整えることも患者側の務めだと言える。

またひとつ良い勉強になった。