俺は一体この先何がしたいんだろう…

夢も失い家族も無く、フリーターになって一人で生活している今だけど

その生活のパイプとなるバイトも、店長とケンカしてクビになるし

なんか最近ストレスが溜まってばかりだ

こんな俺は、バイト先で出会った友人涼馬と関わることを機に本格的に音楽に染められギターを弾いていたが

前に組んでいたバンドであるトラブルを期に脱退になり

今やバンド自体がトラウマと化している

ぶっちゃけもうバンドなんてこりごりだ

それ以来俺は音楽から疎遠していたのだ

その為にも、俺はもう過去には振り返らない事を決意したんだ。

自分は自分


俺の名前は加原健介

訳ありの過去を持っていて、それ故に二十歳になる前にも関わらず、日々自分だけで生活を養っている

自分の力で生活するのは苦では無いが、何か満たされない…




「ふとした瞬間~失われた物は何処へ~」



バイトをクビになった健介は最後の給料を引き出し、いつものようにゲーセンに向かう。

正直17件もバイトの面接を受けてやっと受かったバイトもクビだと、

軽く「次に行くぞ!」となんか思えるわけがない。

そう言う現代の不景気な社会の時代だからこそ、チャンスを逃した代償はでかい上にメンタルも相当傷つけられ、フリーターでも今みたいなニートに近い生活になってしまうと健介は思ってしまうのである。

そしてゲーセンでは、いつものように

数々の学生、ヤンキー、オタク、カップルのいる中、健介は1人ひたすらゲームをやっている

まるで廃人のように

そして、ゲーセンにこもること5時間…

携帯がなったのだ。

どうせいつもの連中がいつもみたく飲みに誘う程度に決まっている

そう思いながらメールを見てみると…

久々にバイトの友人の涼馬からのメールだった。

「久しぶり、突然なんだけど25日の夕方空いてるか?」

いきなり何だろうか?

こんなメール日常からあるようなものであるが

いつもいる連中ならの話であって

そもそも健介は半年の間、涼馬と連絡をとっていなく

久しぶりのメールがこれだと何かあると思った。

もともと健介は涼馬との関わりにより音楽を始めたのである

しかも最後に会ったのも音楽を辞めた時のことである

それだから音楽関連もあり得る

でも、涼馬には過去に色々と助けてもらったりもしたし

そんな嫌な仕打ちをするやつではない

まぁ、最近毎日暇だし、騙されたと思って会うとしよう。

だけど、実際は何が起こるか分からない

不安ばかりが積もる一方

そして、健介は落ち着かず…

ゲーセンから出て家に帰った。

まだ4日もあるが…

どうやって過ごそうか

そう思った先にまた携帯が鳴った。

今度は涼馬ではなく中学の友人の祐司からだった。

メールを見てみるとまた

いつものように飲みの誘いだった。

さっきの涼馬のメールと言い、健介は考え込んでいる一方だ

よし、今日も飲んで忘れよう。

そして、いつものように飲みに行くことにした。



そして、いつも飲んでいる居酒屋「風神」に行くと…

普段時間にルーズな奴らが珍しく皆揃っている

どうやら健介は一番最後らしい。

「おせーじゃん、お前にしては珍しいな?ヒヒヒ」

もうすでに何人か出来上がっている

確かに、健介はいつも皆より早く来ている事が多い

そして、健介もいつも通りの時間に来ているはず…

そしたら、祐司から

「誕生日おめでとう!」

そして、周りの皆も盛大にクラッカーを放った。

そう、6月21日とは健介の誕生日なのである。

そして、店の人からもケーキをくれたのだ

「健介20歳おめでとう」

と書いてある。

だけどいつも来る居酒屋なのに何故今まで未成年でしたというような出禁物のメッセージをつけられるのか?

普通に考えて客と従業員からしたら自殺行為に等しい

それは、健介の友達がここ「風神」で働いている為であって、店長が用意してくれたものである。

つまり、もともと顔を知っている為で

あえて言えば従業員クオリティというやつだろう

そんな誕生日サプライズに

最近ひどく不幸にあった健介にとっては相当な喜びに溢れた。

だけど、何故か心がすべて満たされない…

それも、まだ涼馬とのことで気になっているのである。

それを忘れるためにも、皆が祝ってくれたためにも今日は沢山飲もう


10杯目に取り掛かろうとしたとき、健介は潰れていた。


そして、気付いたら家の布団の中にいた

最初は混乱しつつもなんとか正気に戻ったようだ。

6月22日、涼馬との約束まで後3日

言うまでもないが今日も暇である。

でもやることがない…

そう思った健介は何人か家に誘ってみた

だけど、今日は平日

みんな学校やらバイトやらで忙しい。

そんな中、昨日誕生日サプライズを企画した裕司が遊びに来たのだ

「昨日は楽しんで頂けたかい?」

「昨日はありがとう、メッチャ楽しめた、だけど途中で潰れてごめんな…」

でも、家までどうやって帰ったんだろうか…

と地味に健介は疑問に思っている

すると裕司が

「お前昨日ホントヤバかったぞ、叩き起こそうとしても起きないし、だから俺がお前んちまで背負って財布から鍵を見つけて布団敷いて…大変だったんだぞ!」

そんな過程があったなんて

「それは悪かった、だから俺は気付いたら布団の上で寝ていたのか…」

と、健介は答えた。

「まぁそんな過程はほっといて、俺が気になったのは寝言だ!!こんなのどうでも良いかもしんないが起きない上にお前何かにうなされていたみたいだった…」

本当に普通だったらどうでも良いことだ

「なんだったかな~、俺は悪くない、何でこんな目に遭わなければ、いつも俺ばかり、みたいな事を言っていた。これじゃあ起こそうにも起こしにくいし、あっ、どうせ起きねえか」

と、最後に笑顔を見せた。

これを聞いた健介は少し表情が固くなった。

つまり、これも過去にまつわるトラウマもの、つまりバンド時代の過去の事である。

その表情を見た裕司は

「悪い悪い、別に責めようって訳じゃないんだ、あまりにも苦しそうな寝顔までしていたから少し心配になったんだ。中学卒業してから今まで何かあったんだな…」

すると、裕司はまた

「俺が思うにバンドや音楽だろ?お前とは昔からの仲だからな、俺にはだいたい想像つく」

健介と裕司は保育園から一緒に遊んできた仲でありクラスもほとんど同じだった。

だが高校が違う上に健介は音楽に走っていたために地元の友人とはあまり関わっていなかったのだ。

だから裕司は健介がバンドをやっているということを知っているだけだ。

それなのに、分かってしまう裕司は多分、長年過ごしてきた勘というだけだろう。

ちなみに裕司と涼馬は面識は無い。

「まぁ、詳細は聞かないが溜め込むのは良くないぜ。お前はいつもそうだからな、たまには弱音を吐かなきゃな、常に弱音を吐いているヘタレの俺はどうかしているがな。」

裕司と話している内に健介は段々と表情の固さが抜けてきた。

すると、二人のお腹が同時に鳴り出した。

そしたら裕司が

「どっか食いに行こうぜ、俺が奢ってやる!!!」

そうしていつものように二人で飯を食べに行ったのである。



次の日の朝

もちろんニート生活真っ只中の健介にこれと言った予定は特に無い。

普段活発に動く健介にとって長い期間ぼぼ引きこもり状態というのは相当気が滅入ってしまうものだ。

環境で人は変わると言うが、そんなすぐに変わらない。

そして、この日は規模がでかい駅の繁華街を無駄に散歩する事にした。

駅前まで歩くこと30分…

今日はいつもと違って街が賑やかなカンジがする。

そして、その人混みの先を行くと

駅の近くの公園で祭り的なものが開催していた。

こんな季節にしてはなんか珍しい…

その突発な好奇心で健介は見物する事に

すると…

道の端に財布が落ちていたのだ!

これをすぐさま拾い、まずは中身を確認した。

中には福沢諭吉さんが4人存在していた。

これを持った健介は、誰でも思い浮かぶような2択の難題が出題した。


・金だけを取り、財布を元に戻す。

でも自分が同じ事をやられたら生活出来なくなる
いや、諭吉4人は捨てがたい


・警察に届ける

持ち主が困ってるだろうからな~

でも、取り調べダルい


とりあえず、中身の免許証を確認しよう…

名前は、松居愛美

女の子でしかも年は同じ

でも、確認した所で何かある訳じゃないしな、写真で人を探せるけど…

写真…

そう言えばこの子どっかで見た気がする

名前は知らないけどちょっと前に確か…

いや、本題はその財布をどうするかだ

いろいろ考えつつ、健介は「さよなら諭吉、こんな形で手放したくはなかったよ」とか良くわからないことを言いながら元の場所に戻そうとした。

そして、その位置から50メートル切った場所で

女の人から声を掛けられた。




続く