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出演:セドリック・ジ・エンターテイナー、バウワウ、ヴァネッサ・ウィリアムス、

「ジョンソン一家のババババケーション!」

アメリカ/2004年/97分


カリフォルニアに住む5人家族のジョンソン一家。
保険屋で働く典型的なダメ親父であるネイト(セドリック・ジ・エンターテイナー)
家事より勉強が大事で現在別居中の妻ドロシー(ヴァネッサ・ウィリアムス)
一流ラッパーを目指し浮かれた息子D・J(バウワウ)
派手好きな携帯依存症の長女ニッキ(ソランジュ・ノウルズ)
ネイトの天使であるが妄想の中で犬を飼っているデスティニー(ギャビー・ソレイユ)
そんなこんなで一家はバラバラ、しかしネイトはある計画を持っていた。
それは毎年開催されるジョンソン一族の家族会でベストファミリー賞を獲ること。
ジョンソン一家はミズーリまで家族総出でドライブすることに。
しかし途中でモンスタートラックに襲われたり、怪しいヒッチハイカーを拾ったり、警官に捕まり留置場に入れられたりと散々な目に。
はたして3日後に迫った家族会に間に合うのか?!
そしてベストファミリー賞の行方は?!


アメリカでは有名なコメディアンであるセドリック・ジ・エンターテイナーの主演作。
彼の特徴と言えばあの独特な声。
そして独特な抑揚の付け方だろう。
彼を知らなくても一度見ると何かハマってしまう魅力がある。
俺も初めて見たのは「バーバーショップ」のエディ役。
数いるブラックのなかでもかなり目立ってたからしっかりと印象に残ってる。
そんなセドリックが今作では家庭をうまくコントロール出来ないダメ親父を等身大に演じているように見えた。
彼の実生活はどうか知らないが笑
息子役には何とバウワウ。
どこかで見た事があると思ったら若かりし頃の彼だった。
一攫千金を夢見るラップ中毒な息子を演じているが、やはり本物なので動きに説得力がある。
ラストのネイト一家ショウタイムでは圧巻のパフォーマンスを見せてくれる。
今回のバウワウもそうだが「ドラムライン」のニック・キャノン、「ゲットリッチ・オア・ダイトライン」の50cent等、ブラックカルチャーを題材にした映画の主役達はどーしてこうも演技がうまいのか…。
グイグイ引き込まれてしまう。
ストーリーは無難なハッピーエンドでまとめられているので誰でも見やすくなっている。
所々にポイントを置いて山を作っているが合わない人にはただウザいだけかもしれない笑
俺はブラックユーモア大好きなので笑えたけど。
ハプニングの連続を乗り越えて次第に絆が深まって行くネイト一家を分かりやすく描写しているので、よっぽど嫌でないかぎり最後まで楽しい映画だと思う。
ラストの家族会でのネイトとトロフィーを獲ることしか頭にない兄マックの舌戦や小競り合いも笑えるし、セドリックが一人二役で演じているアール叔父さんもネイトとはまた違ったアクの強さで、強烈な印象を残している。
序盤に出てきたモンスタートラックの犯人も判明するが、個人的には別にいらない設定だったな笑
ただ総合すればセドリックの名の通り、これぞジ・エンターテイナーという映画だと思う。


85/100
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出演:トーマス・ジェーン、サミュエル・L・ジャクソン、LL・クール・J
監督:レニー・ハーリン

「ディープ・ブルー」

アメリカ/1999年/104分


元軍事基地を改造し、海の上に浮く海洋研究所としたアクアティカ。
そこでは各分野のエキスパートが集まり鮫の脳を使った新薬について研究していた。
しかしある日一匹の鮫が逃げ出してしまう。
マリンハンターであるカーター(トーマス・ジェーン)によって事なきをえたが、そのせいで責任者であるスーザン(サフロン・バローズ)は研究の完成をスポンサーから急かされてしまう。
焦ったスーザンは違法と知りながら遺伝子操作を行い、脳を肥大化させた鮫を誕生させる。
これで研究は成功したように思われた。
だが脳の肥大化に伴い鮫は高い知能を得てしまい、逃走。
研究所内の職員を殺しはじめる。
研究所の外は激しい台風で身動きが取れない。
果たして孤立した海の上に残されたスーザン達は生き残れるのか。


モンスターパニック映画に燦然と輝く題材である鮫。
ぶっちゃけ普通に海にいたら怖い。
それが巨大化したら最悪。
それが「ジョーズ」。
スティーブン・スピルバーグが20代という若さで作り上げたパニック映画の傑作中の傑作中。
この映画が公開された年は海水浴客が激減したという逸話もある。
これまたその後は数多くの鮫映画が作られたが「ジョーズ」程のヒットはない。
そんな中で今作は何かが光る良作だと思う。
セットもかなり大掛かりなので結構予算もあったであろうと推測出来る。
それにこの映画のポイントはキャラクターの死ぬ順番。
大体このテの映画は、死ぬ要員が数名と最後まで生き残る男女で主要メンバーが構成される。
が、この「ディープ・ブルー」は誰もが主役と思うサフロンがラストで死ぬ。
これは通常あり得ない展開で、普通は“カーターとスーザン”の男女カップルで生還がセオリーだからね。
カーターとなにげ生き残るのはコックのプリーチャー(LL・クール・J)。
今は「S.W.A.T」や「マインド・ハンター」等で有名だが(元々ラッパーだしね)、この当時は無名に近かったはず

なのに彼は色んな所で死亡フラグが立っているのにしぶとく生き残る笑
かと思えばあのサミュエル・L・ジャクソンが中盤ぐらいで大した活躍もせずフェードアウトするし笑
ちょろっと書いたけどサフロンはラストで自分が作った鮫にひきちぎられて死にます。
でもこれの意図はサフロンが違法&無断で鮫を作ったわけだし、序盤でカーターが鮫を殺そうとした時逃がしてたりしてるわけで。
その結果被害が拡大したって事と元凶を作った責任として殺したらしい。
レニー・ハーリン監督によるとね。
因果応報ってやつだね。
肝心の鮫の造形はまぁまぁって感じ。
CGとアニマトロニクスで作ってたけどCGが微妙だったかな。
まぁアクアティカは海中にも階がある設定だからしょうがないんだけど。
パニック映画らしくここで来るなって部分で必ず鮫が来るので一本調子感はある。
逆を言えば、期待した所で期待通りに来るって事なんだけどね。
でもモンスター+アクアティカからの脱出というポイントもあるから見てて飽きないし、普通に面白い。
半分浸水してるからいやでも上にいかないと鮫に喰い殺されるっていう強制を作ったことによって、何にしても動く理由を作りやすくしてたよね。
その点で言えば「ジョーズ」はぶっちゃけ海に行かなければいいだけだから笑
モンスターパニック映画はたくさんあるけど、「トレマーズ」や「ザ・グリード」のように面白いものとなるとやっぱり少ない。
でも今作は確実にこのジャンルの中で上位に入るよ。
ある種このジャンルの良し悪しを決めるのはいい意味でのチープ感だけど、今作は十分だせてる。
アクションも中々だし、無駄にロマンスがないところもいい。
総合して見ればかなり完成度は高いと映画だと思う。
CGとはいえあのサミュエルの切断死体が見れるのは貴重だ笑
しかし……トーマス・ジェーン、サミュエル・L・ジャクソン、LL・クール・Jという主役級を3人も使っているのにどうしてあんなにB級のニオイしかしないんだ??
逆にスゴいぞレニー・ハーリン!!笑

87/100
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出演:サイモン・ベイカー、ジョン・レグイザモ、デニ・スホッパー、アーシア・アルジェント、ロバート・ジョイ
監督:ジョージ・A・ロメロ

「ランド・オブ・ザ・デッド」

アメリカ・カナダ・フランス/2005年/93分


人類はほぼ滅亡し、ゾンビが闊歩するようになった終末世界。
僅かに生き残った人類はいくつかのコロニーに別れて生活していた。
3方を川に囲まれ、周りに防壁を作りゾンビを退けている町で食料調達部隊を率いているライリー(サイモン・ベイカー)は最近のゾンビの変化に気付く。
だがライリーが仕えている町の権力者カウフマン(デニス・ホッパー)はまるで聞く耳を持たない。
ライリーは仕事にも喧騒にも嫌気が差し、誰もいない北に向かおうとしていた。
一方ライリーの部下であるチョロ(ジョン・レグイザモ)は家を持つという夢を抱いていたが、カウフマンに砕かれる。
復讐を誓ったチョロは装甲車を奪いカウフマンを脅迫しはじめた。
カウフマンは対策としてライリーをチョロの元へ送り装甲車奪還を命じる。
しかしその頃、人間達が争っているまにゾンビ達は川岸にいた。
人間達が渡れるはずがないと思っている川を見つめ…
その先にそびえ立つタワーを見つめ…
ついに行進を開始した。


ゾンビの開祖ジョージ・A・ロメロ監督の待望の第4作目。
う~ん、好きですねぇこの感じ笑
正しくB級映画の王道。
監督が「ゾンビ」を発表してからはや32年、巷には星の数ほどのゾンビ映画が溢れかえりジャンルとして確率された。
だけど良作は極々わずかでほぼ駄作…。
ゾンビメイクに力がはいってればいいし、量が多ければなおいい。
終末感、閉塞感、絶望感があれば最高。
しかしだいたいのゾンビ映画にこれらはない。
本当にゾンビが好きなら必然とこうなるはずなんだが…。
ただ予算が少ないので何も出来ないというのも事実。
なので画面から(どの映画にも言える事だが)その映画に対する愛情が見えればぶっちゃけオールOKです。
しかしそれすらない映画にただ便乗して「~オブ・ザ・デッド」という邦題をつけ、原題やその他の映画と全く関係ないのにシリーズ化する日本の配給会社にはただただ呆れる。
でも!
低予算映画では稀に「アンデッド」、「デッドマンズ・プリズン」、「デッド・フライト」、「フォレスト・オブ・ザ・デッド」などの良作に出会うのが嬉しすぎるので見るのはやめられない笑
話が脱線しましたね。
今作はやはりロメロと言える出来だと思う。
そりゃあ全三部作に比べたら見劣りはするけど、シリーズではないのでそもそも比べる方がおかしいかと。
上ではああ書きましたが、基本的にどんな映画でも俺を異次元に連れていってくれるコンテンツに変わりはないし。
作って配給してDVDにしてくれただけで大感謝です。
ゾンビ映画のお約束である装甲車、無人の店での買い物、準主役の死亡などが今作でもしっかりと見れる。
俳優陣も豪華だし。
主役には最近売れてきてるサイモンベ・イカー
敵には希代の名悪役デニス・ホッパー
準主役には性格俳優ジョンレ・グイザモ
そしてヒロインにはあのダリオ・アルジェントの娘アーシア・アルジェント
等々。
「ショーン・オブ・ザ・デッド」のショーンことサイモン・ペグや特殊メイクの神様トム・サヴィーニなどもゾンビとしてカメオ出演している。
ゾンビメイクも大変クオリティが高く見ていて嬉しくなる。
ロメロ映画ともなればもう世界で公開されるというのに、ゾンビ映画のタブーや映像倫理も破りまくり笑
そこが変に大作を意識しないで好き勝手に作ったB級の未公開映画みたいで最高。
ただひとつだけ…俺はゾンビが走ってもいいけど、明確な意志は持って欲しくなかったかも。
ことゾンビに限っては食欲というただ一点の本能のみで動くからこそ、絶望とか恐怖があるんだと思う。
今回はリーダー格のゾンビ“ビッグ・ダディ”が登場したけど、銃撃つわ仲間死んだら悲しむわ皆を先導するわでゾンビというより仲間思いのミュータントって感じだった。
他のモンスター映画やホラー映画ならそれでいいけどゾンビに意志はねぇ…。
まぁそれでも全然面白いんだけど笑
個人的にはジョン・レグイザモのゾンビが見れただけで満足だし。
やはりロメロはいいなぁと思った映画でした。

80/100



先日亡くなられた俳優デニス・ホッパーさんのご冥福を
心からお祈りしています。