Call the Midwife、今、シーズン6に差し掛かりましたw
1950〜60年代が舞台なだけあって「そういえば、こんなことがあったらしいね」といった事件が起こる。
登場人物は、みんな戦争体験者で心に傷を負っているし…。
サリドマイドの服用で奇形児が生まれるとかも。
あと診療所で妊婦がタバコ吸ってるのやべえ…。
現代だったら、恐ろしくて考えられませんね。
あとはピルの服用が始まるとか。
(でも未婚女性には処方できない)
中絶にお金がかかるので、闇医者におろしてもらうか、自分でおろすとか…。
あとは性犯罪を犯したゲイの男性に「治療」と称して女性ホルモン打つとか…。
修道院で暮らしているナースの中にはビアンカップルもいて、隠れて付き合ってる。
(ゲイの男性も一応、結婚してるけどカムはしないでいた。犯罪後、家のドアにクィアとか落書きされる)
それで食事中、修道女に「sodomyは罪」とか言われるのくるな…。
医療の進歩、差別への認識の進歩は大きいですね。
しかし女性の苦しみを見せつけられるドラマでもあるだけに、男性に対しての怒りが浮上してくる。
特にDV野郎とか、やり逃げ野郎とか。
そういえばシーズン5だか6だかに、DVを受けた女性が夫と離婚を試みる話があったんだけど、彼女は過去に精神疾患があったとかで、子供と引き離されそうになるんだよね。
その時に彼女が弁護士に「オーブンに頭をぶつけたの」とか何とか言ってたけど、これは自殺未遂(ガス自殺)って意味なのでしょうね。
シルヴィア・プラスも、この方法で自殺してる。
これは知らない人は全くピンとこないのでは…。
てかサリドマイドで奇形になって生まれてきた赤ちゃん、ドラマで出るけど、あれは本当に奇形児をドラマに出してるのかな…
とても偽物には見えないんだけど
これ「こうした薬害がありましたよ」って歴史の一部として話聞くだけだと、ピンとこないけど、ドラマ内で…
医者が「たくさんの人に処方してしまった」
お母さんが「自分が飲んだ薬のせいで、この子の体に異変が起こってしまった」
と罪悪感を抱える姿を見ると、本当に大変なことがあったのだろうなあと感じる…。
お母さんが娘の手足を隠すために、おくるみでグルグル巻きにして診療所に行く姿とか…。
「連れて帰ってくるな」とか言って赤ちゃんを抱こうとしない父親とか…。
(最後は、ちゃんと受け入れる)
しかし平均的な人と同等の能力を持たないことって「障害」なのだろうか
単に彼ら自身の問題ではなく、社会構造が障害を作っているケースも、かなり多いのでは
要するにバリアフリーの遅れが彼らに障害を与えているのでは…ということなんですけど。
「障害者」って言葉自体、私は差別的だと感じますね。
ところで【出生】というものは、痛みとは切っても切れないものなのだなあと感じる。
両親の欠乏感という痛みを満たすために生み出される子供
中には周りに「産め産め」とプレッシャーを与えられて産む人もいるだろう。
ドラマだとアフリカ編では「子供を産むことで女性の価値が決まる」といった風潮がフォーカスされていた。
仕事一筋だった女性が国の方針で、仕事を辞めざるを得ない状況になり、子供を産むことで自分に価値を見出そうとするシーン。
想像妊娠であったことが発覚し、ナースから慰めの言葉をかけられた時のシーン。
慰めの言葉は空虚だというナースに。
「言葉は空虚じゃない。空虚なのは私」
と答える彼女は痛ましくも美しかったなあ。
それから妊娠・出産に伴う体の痛み、苦痛。
この世界に生み出されて、子供は泣く。
そのあとの人生でも苦痛を味わうことは避けられない。
愛する両親を亡くす痛みも、ほぼ不可避。
こういった痛みを人はドラマ化して、何やら尊いものであるかのように見せる。
しかし苦痛は苦痛だ。
もちろん人生を生きる上では喜びもあると思う。
ただし、それは苦痛と表裏一体でもあるということ。
物質世界を生きている限りは…。
悟りを開くことだけが救いだと思う(笑)
それはそれでまた生きたまま死んでいるような状態なんだろうけどね。