ボクは働いている



障害者枠と言う世界で


地位や名誉や保証も無い、この不思議な世界で




今日の朝礼で Nさんの死を知らされた


自宅で倒れてるのを発見されたらしい



「え!!」



思わず声を上げた




Nさんは統合失調症だった


50代の男の人


メンタル的な知識の無い人からは 偏見の目で見られてしまう病気


この職場でさえも陰口をたたく人がいる


自分の事を棚にあげ、優越感にでも浸りたい奴らなのだろう




朝礼が終わり 作業開始


やはり Nさんの話題で持ち切りだった




でも Nさんの死を悼む声が聞こえない


変な噂話しばっか


ばっか・・・


ばっか・・・



「ばか!」


「お前ら みんな ばか!」



肝っ玉のちいせー野郎だなー (♀含む)と言うより♀>♂か




ボクは正直、Nさんの事をあんまり知らない


原付に乗ってやって来て、頑張って働くんだけど

症状が悪化するのか午前で帰ってしまう


色々お話ししたいんだけどそんなタイミングも無かったり



でも一度、原付があまりにも傷まみれだったんで


「Nさん?どしたん? どっかぶつかったん?」


て聞いた事はある



ちょっとした会話だったけど、少し嬉しかったキオク




もっと 話したかったよ   Nさん ・・・







今夜18時から通夜との事


ボクは仕事を終え帰宅し、急いで式場へと向かった




小さな式場


そして やって来た人もわずかだった



ちょっと寂しさ増した





Nさんは 穏やかな顔で眠っていた


いつも苦しそうな顔だったから 少し安心したかも


いけないかも知れないけど「もう苦しまないでいいよ」って思った




若かりし顔の遺影


ふっくらして元気そう



「その頃は楽しかったの? Nさん?」 ふと問いかける




穏やかな顔のNさんを見てると


「ちゃんと成仏してね」だの


「ご冥福をお祈りします」だの


「天国で楽しくやってね」だの だの そんな言葉浮かばなかった




そんなに交流していないのに


Nさんが ボクに語ってる ・・・ そんな感覚で一杯だった



実は 最近、身辺整理でもやろうって思ってた最中


「自殺」って意味じゃあ無い (ちょっとはあるかもだけど)


今の世の中、いつポックリ逝ってもおかしく無い


思い立ってどっか行っちゃうかも知れない



だから ビジネスホテル並みに必要なモノだけにして


いらないモノは捨ててしまおうって



・・・ 一週間前、酷いフラッシュバックに襲われた時、そう思った





死に支度しとこーって





そんな矢先のNさんの死



リンクとかシンクロとか分かんないけど、とにかくNさんとボクは会話してた


ま、異常者扱いされても構わない


そう 感じたもん



「自分らしく 好きなように生きろ」って





お葬式って、死者に語るんじゃなくって


死者が語るんだって 初めて思った





ちょっと驚いたのは通夜後、お坊さんもそんな事言ってた


「仏」と言うのはしがらみや煩悩も全て取っ払った「悟り」を得た人の事を言うらしい


いわゆる「生き仏」


死者はもう何も出来ない状態だから、悟りを得た状態


なので俗語として、「死者」の事を「仏」って言うようになったらしい





こんなに泣くの 久し振りだな




家に帰ったら 嫁がいなかった ・・・  あの件以来か?




もう 感受性は失ったものと思ってた







Nさんの事あまり知らなかったけれど、Nさんには妻子がいる事を初めて知った



優しそうな奥さん、息子さん、娘さん



娘さん、泣きじゃくりながらも一生懸命色んな事話してくれた


「ありがとうございます」 って 何度も 何度も



ボクもつられて泣きじゃくった




でも、悲しいだけで泣いてた訳じゃない


むしろ 嬉しかった涙



一人ぼっちで寂しい暮らしをしてるんだろなあ、って勝手に思ってた



でも、こんなにもとっても温かい家族だったなんて




振り返って 安らかなNさんの顔




お通夜に来て良かった、って思ったの初めてかも


大規模なセレモニーホールじゃなくって、小さな式場だったから良かったんだと思う


ご家族の方ともお話し出来たし



明日のお葬式には出られないけど、お墓参りに行きたいと思ってる


そしてまた、語れたらいいなって









通夜の帰りにコンビニでタバコ買った


いつも吸ってるのは「チェ・レッド」だけど、「Peace」のアニバーサリーバージョンがあったので「124番も下さい!」とレジの子言ってこれも買った


好きなんだよなあ ・・・ Peace


普段は高いから買わないけど





箱を開けると こんな栞が入ってた



「そっかあ ・・・ 安らぎの大地が近いのかあ ・・・」



最近、日曜礼拝もサボってるくせに、この聖書の言葉に運命めいた


何かを感じる




よっしゃ、いこー!




医者にはあんまり飲むなと言われているウイスキーに手を出す


※ウイスキーやりすぎるとフラッシュバック起きやすいから




「ま、先生、規定量の60ml守りますから♪」



ロックで氷入れて、Nさんと乾杯♪




「うまいかい? Nさん?」




タバコが大好きだったNさん



「天国にはタバコ売ってるかい?」


と、独り妄想を楽しむ




その、酔いに任せてブログ書いてるから きっと「乱筆!」 「乱文!」



そして、明日の朝にでも見て、恥ずかしくなる ・・・ かな





もう 部屋 めちゃくちゃだもん


ポックリ逝ったら迷惑だろな



リアルに死に支度するか


やりたい事、やりたいようにする為に


思い残す事無く 綺麗に散る為に




Nさん、もう会社で会えんのは寂しいけど 今までありがとう


天国で待ってて




  しばらくは逝かへんで!(-。-)y-゜゜゜















「偶然」だとか「必然」だとか


「偶然」耳にしたラジオから流れる曲


 それが ボクを虜にした



 それは きっと 「必然」



 彼女の唄が シンクする





 「俺の道 生きてやる」



           






                 オレ、生きてるから


しばらくブログ、書いてなかったけれど

なんとか、かんとかやってます



日記は、自分の心を見直す為にも必要と思ってるので、毎日書いてます

落ち着いたら また アップしてみようかなぁ (*^^*)



ボクのカルテには「鬱病」と記してあります

みんなは  鬱病ってどんな風に思ってるかなぁ…



ボクの場合は、「やる気が出ない」「意欲が湧かない」と言う一般的なものは少ないです


メインは強烈な「不安感」そして「焦燥感」です





昔の交通事故

そして自律神経の変調

不安発作

そして パニック障害



病院にも行かず 相当無理して働いてました

強烈な不安感は、自分で自分を殴り、気を散らせて仕事していました



それが  とうとう限界が来て 自殺未遂寸前でした





「強烈な不安感」と「強烈な焦燥感」



これは あの頃を蘇らせる


いわゆる「PTSD」とか 「トラウマ」って言う奴だ



言葉では伝えようもない感覚になる



今は、その為の入院治療だ





入院して2週間が経った

症状が消失したかと言えば ウソになる



だけど、食べて、眠れる事は出来るようになった


ずっと入院生活をしていると、家に帰るのが怖くなる、ますます




ここいらで、外泊テストしてみようと思った


嫁との想い出の一杯詰まった家


もう 誰も居なくなった空っぽの部屋で

ちゃんと寝泊まり出来るのか、テストするのだ



今日の午後、家に帰る

そして明日の夕方に病院に戻る



キツい発作が来た時の為に、頓服も渡される


「1錠飲んで駄目なら もう1情報飲みなさい」

「それでも効かず、たまらなかったら 深夜でもいいから病院に戻っておいで」

そう言われてる

「治療の為の入院なんだから焦らないでいいのよ」

とも言われてる


ボクの焦る心の癖を分かっている

信頼のおける女医さんだ




「テストだ、テスト」


「気負わず行こう」




明日は、キリスト教の日曜礼拝に行く

生まれて初めての体験だ


昔から興味はあった、日曜礼拝には




明日は  ただただ  祈りを捧げたい










何度も 何度も 目が覚めた

悪夢ばかり 見ていた


あの1週間の  不安・焦燥・絶望感がリアルな程に夢に出た


「夢か……」


夢とは言え、あまりのリアル感に 完全に自信を失う



いつもの日課、朝日を浴びながらの 中庭での一服


てっちゃんがいた


「おはよう」


ラジカセの電源を入れ「T-BOLAN」を流してくれた

いつもの躍動感は生まれない

けれど 少し元気が生まれる


てっちゃんは  そっと去って行く


人の気持ちが読み取れる、優しい てっちゃん




朝食後、部屋で着替えをする

廊下で怒鳴る声がした


「お前!いつも俺の邪魔ばかりしやがって!」

「やっちゃるけんの!」


喧嘩か?

しばらく聞き耳を立てるが収まる様子もなく 事態も大きくなってるようだ


「こりゃ、あかん!」


ボクは部屋を飛び出した

てっちゃんと青年が取っ組み合いしてる


「おい!やめろや!やめろ!落ち着け!」


二人を引き離そうとした


騒ぎを聞きつけ、看護士も来た



事の詳細は  青年が、廊下を歩いてた男性患者に 訳も無く因縁を付け殴りつけたのだと言う

てっちゃんは、それを止めに入り巻添えを食らったらしい。


青年も 殴られた人も興奮してる

一触即発状態

看護士が二人を引き離し、落ち着くよう説得してる


それにしても、てっちゃんは偉いな

優しいし、正義感もある



ボクは着替え中に飛び出して行った為

刺青は 丸見えだった

仕方ないよ……  無我夢中だったもの




ここには洗濯機が10台近く置いてあり、自分で洗濯出来るようになっている

社会復帰プログラムの一環だろうか(笑)


汚れ物も貯まっていたので、リハビリがてらやってみる

退院したら  自分でしなきゃいけなくなるのだ

「練習だ  練習」


干す座業はきつかった

首への負担も結構なものだった



昼食後はロキソニンを飲んだ


午前の乱闘事件、そして洗濯

首が悲鳴をあげていた


洗濯物を取り込み、部屋で畳んでいた

ふと、ゴミのようなモノが混ざっていた


ちっちゃな ちっちゃな ヤモリだった


洗濯機の中にいたのかもしれない

気付かずに洗濯されて干されてしまったのだろう


「気付いてあげられなくてゴメンよ」


ゴミ箱に捨てるのは 偲びなく

中庭の 大きな木の下に埋めてあげた



16時、ハマさんが来てくれた

腹巻きに  ボタン穴を作って欲しいと頼んでおいたのだ


病室には 各個人が管理出来る カギ付きの家具がある

カギは ゴム紐が通してあり、手首に付けるようになっている

ここには言っちゃ悪いが 手癖の悪い患者もいると言う

カギを紛失し、大事なモノをパクられたら大変だ



そこで思い付いたのが、腹巻きにリングを通し、伸びるゴムで管理する方法だ


縫製はお手のもの

と、言うより仕事が縫製なのだから当たり前なのだが(笑)


ハマさんは 車椅子なので長居は疲れる

礼を言い 見送った



夕食まで時間があるので、最近機種変したスマホのデータ整理をした

東京での入院生活中、馬鹿みたいに使って遊んでたら壊れたから替えたのだ


替えたはいいけど使い方も今一

使い方の練習がてら、画像をフォルダ分けした





「 これが  いけなかった  」





当然、9年間の嫁との画像もある訳だ


変な話し、ボクらはとっても仲が良かった

隠し事なんか無く、全てさらけ出し  全て話し合っていた

互いが互いを  思い遣っていた



嫁の笑顔を見て  悲しくなった



「一緒に 暮らしたいな 」


憎しみに変わりかけていたボクの想いは

愛しさへと 変わる



「なんで?」



「ねぇ?  なんで?」



愛しさは   悲しみに変わった




途端に 来たのだ


また あの不安感が


心臓をえぐられる 強烈な不安感が





元気になってるとばかり思ってたので

これは  かなりのショックだった


又、後退したと思った



ベッドの上で  必死に耐える「不安感」と「焦燥感」


光が消えた

そんな気がした





丁度その時、服薬の為  看護士が入ってきた

定番の 夕食後の薬だ



飲む


10分程たったろうか

不安感や焦燥感が和らいできた

少し 落ち着いてきた


「助かった」


安堵するも、自分が薬無しではどうにもならない事を思い知らされる



「焦ってはいけない」



主治医とも話し合い、これからの計画を話し合おう




少し落ち着いたので喫煙所でタバコを吸う


「焦らずいこう   焦らずいこう」


タバコを燻らせながら  そう言いきかせた




ホールにはテレビがある


気のりしないので、入院してから一回も見た事がない


ふと、目をやると 障害を持った男の子が出ていた


「24時間テレビかぁ…」


椅子に座り、画面を見つめる


釘付けになった


「何て この子は前向きなんだろう」


彼にしか分からない苦しみや痛み、たくさん抱えてるハズだ


なのに 前向き

人に やさしい



これも「必然」と言うものか


テレビの画面から流れる彼に

力を貰った気がした



「神がいるのならば  ボクは感謝する」




画面から流れてくる槇原敬之の歌


「どんな時も」




ボクは 必然に感謝した