言葉には力がある。







古くから人々はそう信じてきた。






言葉なんて所詮大気を介して鼓膜を振動させる、これだけのシステムで産み出されるコミュニケーション手段にすぎないわけだけど。







実に単純明快なその肉体的な現象には、確かに精神に影響する「チカラ」を持ち合わせているんだ。











きっとあの人は、ボクが泣いたことを知らない。





ボクは、恥ずかしいから泣いている姿を見せることはしない。






だけど悲しい色ではない、言うなれば黄色くて透き通っていて触れるとじんわりする暖かい涙だったよ。

















それは大気ではなく、電波を介して、無機質で冷たい液晶画面にキレイに整列した「言葉」であったけれど。






ただ彼らは自分に与えられた使命を全うしただけに過ぎなく、
彼らには何の意志も持たないけれど、

その隙間にボクは勇気を見つけた。








男の子は泣いてる姿を極力隠したがる。



でも泣くには理由があるはずでしょ。





哀しいかな、人は新しい情報を得るために古い記憶は忘れていってしまうもの。







だからボクはこうして、忘れたくない、忘れるわけにはいかない気持ちを形に残すんだ。








コレも結構恥ずかしいんだけどね。
あとで見たときに。








でもそれ以上に忘れたくないから。
こうして残しておく。










言葉にはチカラがあるんだぜ。