オレと同じ事務所の役者仲間から本を借りた。


唐沢寿明さんの自伝「ふたり」を始めて読んだ。



きっと唐沢さんは覚えてくれてはないだろうけど、オレが小5のときに大河ドラマ「利家とまつ」で共演させてもらったことがあったから、変な話だが親近感を持って読み始めた。



唐沢さんの印象と言えば、やはりユーモラスで人当たりの良い明るい人というイメージだが「ふたり」を読んで、それは全くの誤解であったとわかった。


現代版の太宰治の「人間失格」といったら語弊があるかも知れないが、恐らく「ふたり」を読んでみたらなんとなくわかってもらえるかも。





役者を志すものとして、今や名俳優として名を馳せる唐沢寿明さんにも苦労した若手時代があったのだと痛感するとともに、誰しもが順風満帆な役者人生を歩んできたわけではないと、勇気を与えてもらえた。






ただそれと同時に、改めて自分が身を置いた今の状況に対して考えさせられた。





唐沢さんは役者として成功するために、多くのモノを切り捨てていった。


家族や恋人。


友人や学校。





なりたいと思ったものには絶対になれる、と唐沢さんは言った。





ただそれと引き換えに、何かを得るためには何かを失わないといけないとも言った。












オレは欲張りなのかもしれない。



積載量を超えれば当然まともには走れないのはわかっちゃいるけど。





だからっていろんなものを諦めたくない。






なりたいと思ったものには絶対になれると言うならば、オレは全てを失わずにやりきってやる。









オレがやり遂げるのが早いか。



はたまた、役者に見限られるのが早いか。




良くも悪くもまだまだ先は見えない。