センター2週間前
空気が重くて
みんな教室に残って勉強して
真っ暗になってから帰る

そんな毎日


いつも通り学校に来て
いつも通り模試をやって今日も勉強して帰ろう
明日のために今日はこのテキストを持って帰ろう
高校三年生の三学期が始まったばかりの日


帰るまえのホームルームで
先生と副担任がスーツをきて教室にきた
訃報だった。


つい三日前までいたのに
一緒に受験頑張ろうって
私は小さい頃から看護師になりたいって
ずっと言ってたね

優しくて雰囲気があって甘えん坊で
でもすっごいしっかりしてて
頼れる人だった


亡くなった。」

言葉の意味がわからなくて
友達が若くして亡くなることに触れたことがなくて
動揺して
真っ白になって
怖くて
悲しくて
寂しくて
どこにも当てようのない悔しさと
なににかわからない憎しみと
今でも消えない苦しさを
一気に感じた


全然受け入れられないし
わかってたのに
信じられなかった

変えられなかった

入学式で話した時
一緒にアメリカに行った時
一緒の班だったとき
掃除までついてくるとき
移動教室まで一緒に行ったとき
後ろから抱きついてくる時
名前を読んで走ってくる時
授業受けてる私を描いてくれた時
一緒に先生をいじった時
一緒に受験した日
廊下で一緒に泣いた時
また明日ねを何度も言った別れ際
バイクまで送ってったとき
誉めてくれるとき
好きなキャラクターについてずっと話してくるとき

全部の場面の顔が浮かぶ
幸せにしてもらった
たくさん分けてくれた

一緒に時間を共有できたことが
なにより嬉しい。

いないけど
ちゃんといて
いないけど
ここにあって


時が早いことを教えてくれてる

ずっと


何年経っても
忘れない


誰も忘れない。