青森県北津軽郡に住む10代の事務員女性が「有料サイトの解約には退会料が必要だ」などという嘘の話を信じ、およそ100万円をだましとられて警察が詐欺事件として捜査しています。
似たような詐欺、ずいぶん前ですが私にも経験あります。
自分のPCにネット環境を整え、
初めてアドレスを取得して内職を開始した頃。
メールBOXの受信箱に
「登録完了いたしました」てなタイトルのメールが。。
え?なんかしたかな?と思って開いたら
このたびは云々という事務的な文章と共に謎のURLリンク。
URLリンク(当時はこの言葉の意味も知らなかった)の上には
「こちらに詳しい説明があります」との指示(?)。
ついクリックしましたよ、しちゃいましたよ。
そしたら画面が一瞬揺れて
一面ピンク色の画面に複数のエロ写真と
URLリンクと謎の電話番号、および
「有料サイト○○○のご登録ありがとうございます。
なお、解約には退会料が別途必要になります」
という文言が出現。
なにしろ、初めてのプライベートネット。
どうしていいかわからず、画面を閉じて放置しました。
すると2か月後くらいでしょうか、
忘れた頃に一通のハガキが届き、そこには
「○○簡易裁判所において、
告訴に基づき貴殿の財産の強制執行が確定しました。
滞納料金 ○○○○○○円
執行日 ○月○日○時
なお、この処分について不服申し立てを行う場合は
ハガキ到着時から24時間以内に
●●法律事務所 ○○ TEL○○…まで」
というおそろしい告知文が印刷されていました。
滞納とされた金額は12,3万円ほどでした。
私が幸いだったのは、はがきが届いたその日、
ちょうどネットに詳しい鍼(ハリ)の先生に施術の予約をしていて
その先生に相談できたこと。
先生には「それ、よくある詐欺だよ」と笑い飛ばされました。
確かにほっといても何事も起こりませんでした。
もしかしたら、この青森の彼女、
社会人になって初めて
プライベートなネット環境を持てた子なのかもしれません。
都市近郊なんかじゃないホントの田舎の
昔ながらの厳しい家に育った女の子は
経済事情にかかわらず
今の時代でもスマホを持たせてもらえません。
家にPCがあったとしても、女の子にはネット接続させない、
そういう家庭があります。
ニュースによれば、彼女は3回にわたって騙されて
そのたびにお金を払い続けたそうです。
もし彼女が、怖くて頭の中が真っ白になって
1回目のお金を支払ってしまった後でも
家族なり知人なり会社の同期なりに相談できてたら。
「合計106万円余」なんて被害金額にはならなかった。
彼女が自ら変な有料サイトをのぞきに行ったとは
私は思いません。
まともなサイトを偽装したり、
ミスタッチしやすいところにトラップを置いたり、
詐欺集団はネット画面の至る所に
初心者を陥れる罠を仕掛けます。
でも親御さんがネットに詳しくない場合、
「おまえがよこしまな考えを持つからだ」と、
無知から子どもを責めることがあります。
親に知られたら怒られる、とか
誰かに相談して大事(おおごと)になったらどうしよう、とか、
厳しい管理に従って育ってしまった子ほど
「誰にも言えない、相談できない」心理に陥り、
詐欺集団の格好のエサになってしまいます。
それに、「それ詐欺かもよ」と忠告してくれる人がいても
自分の意思で物事を決定した経験が少ないと
有無を言わせない断定的な物言いをする人物に
粛々と従ってしまいやすく、
そのうえネット世界そのものに初心者だと
どういうからくりで詐欺なのか具体的にはわからないから、
忠告した人がよほど親しい人でない限り
「目の前の緊急事(お金の振込)」を優先してしまう。
高い授業料だったけど、
自分の世界を広げるためのせっかくのスマホデビュー。
彼女には、
「あつものに懲りてなますを吹く」よりも
今のネット詐欺のパターンや実態を調べて
二重三重の詐欺被害に遭わない知識を持ち、
地元で詐欺ブロックのエキスパートと評されるくらい
賢いスマホ使いになってほしいと思います