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昔も今も六本木

都心生まれの都心暮らし

1964年3月、同じ年の10月に開催される東京オリンピックの開幕に合わせて霞ヶ関〜恵比寿間の営団地下鉄日比谷線が開通した。幼い頃の朧げな記憶では、都電と呼ばれた路面電車は翌年まで六本木通りを行き交っていたと思う。渋谷から高樹町、霞町から材木町、六本木を通って飯倉方面へと向けて数系統の電車が走っていた。配線が決まった路線では、おそらくラストランを記念して最終日だけ車体正面を造花で飾り付けた花電車が運行した。翌日から都電に変えて都バスで学校に通う子供にとっては、嬉しいような悲しいような、いささか複雑な気持ちだった。花電車の車内はいつもと変わらぬ飾り気のない電車であって、特別なことは何もなかった。