高校に入って驚いたのは、周りの友達がタバコを吸っている事だった。タバコなんて吸った事なかった自分は遅れているのだとそう思った。

ある日、高校からの帰り道、一緒に行動していた不良グループと帰っていた。

あれは秋だったか、コンビニに立ち寄り、肉まんを買って外で皆んなで食べていた。

食べ終わると、皆んな一斉にタバコを吸い始める。

何かの儀式なのか知らないが、コーヒー飲んだらタバコ。なんか食べたらタバコ。そんな感じで何か口に入れたらタバコを吸う。そんな人達だった。

もちろん自分はタバコを持っていないので、ただ、秋の空を眺めていた。

すると、タバコを吸っていた1人がホイッとタバコケースから一本出してきた。

僕はまだ、自分は禁煙中だから、吸わないですよ感を出してその場をしのいでいたが、その時は何を思ったかそのタバコを手に取ってしまった。

手にとってしまってからは、もう吸うしかないと思った。

口元に持っていき、その人にライターで火をつけてもらう形。よくTVのキャバクラのシーンで見るやつじゃん!って思いながら見てたら、全然火がつかない!

やばいなんで?どういう事っ?て焦っていると。

結構大きめの声で【息吸えよっ!】って言われた。

遠くに夕陽が落ちていくのが微かに見えた。