マジすか学園 ~AKB48~ -2ページ目

ん〜……



今更新させて頂きましたけど、なんか話が全然進んでないですよね……

申し訳ないです
自分でもイライラしますからねw

次の更新にはこの話も終わりにさせますんで、もう少し待ってて下さいねww

いつも読んでくれている読者の方々に、本当に感謝しています
有り難うございます
これからも宜しくお願いします

マジすか学園episodeⅡ 〜真の強さ〜 11



涙を流しながら、ありがとうと呟く汐莉の背中を佳澄が優しくさする。
掛けてやれる言葉など見当たらなかった。いや、そんな言葉は存在しないのだろう。

汐莉が流す涙の意味も、何度も何度も謝罪する今日までの苦しみも、そして、心の底からありがとうと言った、汐莉の初めての安らぎも。……
全てを知っている佳澄にとって、それ以上言ってやれる言葉などは無かった。ただ、暖かい手の温もりを伝えてやる事しか出来なかった。

汐莉の涙が乾くまで、佳澄は優しく背中を撫で続けた。


「ん……ふぅ……」

汐莉は小さく息を吐くと、さすってくれていた佳澄の腕をポンポンと叩いた。


「もう、大丈夫だから……」

静かに立ち上がり、目の前のヲタに目を向ける。
その目はさっきまでのそれとは違い、澄んだ綺麗な瞳へと変わっていた。


「色んなモンが一気に吹っ切れたってツラしてんな」

ヲタが微笑む。
汐莉はもう一度呼吸を整えると、ヲタに向かって小さく頭を下げた。


「ただ、最後に一つだけ言っとくぞ」

ヲタの言葉に汐莉が頭を上げる。


「俺は、お前の兄貴を絶対に許さない、いいか、絶対にだ。……
お前の事とあの事件の事は別の話だ。何があろうとも、俺は一生、お前の兄貴を許しはしない。……
復讐だのなんだのとそんな事は考えちゃいない、何かをしようなんて思ってもいないよ。……
でもいいか、俺はお前の兄貴を絶対に許さない、許す日が来る事なんて無い。それだけは覚えておけ」

そう言ったヲタの目は、誰が見ても分かるほどに、悲しみの色に染まっていた。

汐莉が瞳を閉じる。
小さく頷いてから、汐莉はもう一度ヲタに向かって頭を下げた。


「そういう事、それとこれとは話が別だ」

その時、ジャンボがポツリと呟いた。

汐莉が頭を上げる。
その瞬間、ジャンボは一気に駆け出すと、汐莉の顔面に強烈な拳を叩き込んだ。


ーードンッ!ーー

「ぐっ!」


汐莉の体が勢いよく吹っ飛ぶ。
驚いた全員がジャンボに目を向けると、ジャンボはつまらなそうに首をコキッと鳴らした。


「おいおい、お前らなに驚いてんだよ」



「お前っ!」

佳澄が声を荒げる。


「佳澄……」

その時、汐莉が口元の血を拭いながら立ち上がった。
佳澄が駆け寄ると、それを右手で制しジャンボに目を向ける。


「お前ら何か忘れてねぇか?」

ジャンボは再び首を鳴らすと、一気にその瞳を鋭く尖らせた。


「過去だなんだって話なんか、あたしにとっちゃ正直どうでもいい事なんだよ、勝手にどうぞってやつだ。暗い過去が吹っ切れて良かったじゃねぇか。……

でも、あたしがここに居る理由とそれとは全くの別物だ。……
あたしはこいつを地獄に落としに来てんだよ。あたしの大事な仲間をコケにしてくれたこいつをな。……

だからとっとと勝負の続き、始めようぜ」

そう言うと、ジャンボは腕を上げて構えて見せた。


「ふざけんなっ、今の汐莉のこの状態で喧嘩なんか出来るわけっ……」


「佳澄……」

佳澄の声を遮ると、汐莉はゆっくりと前に出た。


「確かにそうだ。あたしには、まだケジメをつけなきゃいけない事があったな……」

汐莉がジャンボと同じように腕を上げる。


「来いよ……」

そう言って、静かに再開のゴングを鳴らした。……












マジすか学園episodeⅡ ~真の強さ~ 10



ばつが悪そうに頭を掻くと、ヲタは汐莉から顔を背けた。


「そりゃ、俺だって恨んださ。なんで俺の家族が殺されなきゃいけないんだって、犯人は絶対に許さないってね。……

今でも当時の記憶が甦る時がある。お前の兄貴が俺の家族を殴り倒してる、あの時の記憶がな。……
正直、思い出すだけで体が震えるよ。怖くて怖くて泣きたくなる。……

ガキだった俺への配慮なのか、俺は犯人の名前を教えてもらっていなかった。テレビのニュースでも、未成年だったから名前は報道されてなかったからな。……
だから俺は、あの夜の犯人の姿だけを頭に焼き付け、恐怖に怯えながら、復讐心だけで家族の居ない淋しさを紛らわせて生きてきたんだ……」

そこまで言うと、ヲタは再び汐莉の目を真っ直ぐに見つめた。


「そんな、淋しさと怒りでどうしようもなくなってた中学一年の春休み、テレビを観ていた俺の耳に、あるニュースが飛び込んできたんだ。……
小学校を卒業したばかりの少女が、自分の父親を殺したってニュースがね……」


汐莉の体が微かに震えだす。
自らの体を抱きしめるように両腕を抱えると、汐莉はヲタに顔を向けた。


「正直ふざけるなって思った。子供がてめぇの親を殺したなんて聞きたくもなかった、腹が立って仕方なかった。……

でも次の日、叔母の口から語られた一言によって、俺の胸は張り裂けるほどに掻き乱されたんだ。……

父親を殺した少女は、あんたの家族を殺した犯人の妹だと……」

その瞬間、ヲタの表情が酷く悲しい色に染まった。
静かに瞑った汐莉の瞳から、ゆっくりと涙が零れ出す。


「どうしようもない一家だねって、叔父も叔母も笑ってた。叔父叔母だけじゃない、俺の周りにいる誰もが、汚らわしいゴミクズの話題でもしてるかのように、その少女の事を嘲笑ってた。……
でも、笑えなかったんだ。……
俺には、その少女を笑う事なんて出来なかった。……
何故なら、報道されてたその少女の姿が、俺と似ていたから。……

優しい父さんと母さんの事が大好きで、年の離れた兄貴の事が大好きで、幸せいっぱいだったその家庭が突然壊されて。……
両親に甘える事も、兄ちゃんに甘える事も出来なくなって。……
その幸せを壊したのが、自分の兄貴で。……

この少女は、どんな気持ちで今まで過ごしてきたのかなって。……
俺よりも幼いこの小さな少女の胸は、この時どんな気持ちだったのかなって、どんな気持ちで、自らの手で自分の父親を殺したのかなってね……」

それだけ言うと、ヲタは震えながら涙を流している汐莉の顔を切なそうに見つめた。


「たぶん、頑張ったんだろうなって。……
この子は、幸せだった頃のあの家族を取り戻す為に、すげぇ頑張ったんだろうなって、そう思ったんだ……」

その瞬間、汐莉は声を上げながらその場に泣き崩れた。


「うぅ、ごめんなさい、ごめんなさいっ、うわぁぁぁぁっ!……」


「お前が必死にやってきた事は、きっと誰かが見ててくれてる。分かってくれてる奴がきっといる。だから、お前は真っ直ぐに歩いて行けばいいんだ。引け目を追う事なんか無ぇんだよ」

ヲタが泣き崩れている汐莉の肩にそっと手を置いた。


「もう一度言うぞ、俺は、お前の事を恨んだ事なんて一度も無い。……
それはこれからも変わらない、俺はお前の頑張りを分かってる、だから恨んだりしない」


この瞬間、汐莉は自分の心がふわっと軽くなった感覚を覚えた。初めて許された気がした。……
事件以降、犯罪者というレッテルを自ら被り、許される事など一生無いと思っていた。
自分は裏道しか歩いてはいけないと、闇への橋を渡ってきた汐莉にとって、「頑張った」と言ってくれたヲタの言葉は、初めて正しい道順を教えてくれた地図だったのかもしれない。


「うわぁぁっ!!!……」

何度も何度も「ごめんなさい」と涙を流していた汐莉の言葉が、「ありがとう」と変わったのは、それから間も無くの事だった。……