Re: Re: Sちゃんについて③
前回(リンク) の続きです。7年前の再会。色んな事実を知りはじめて、、、それでも結婚を決めていたこーじは、Sちゃんと、進むことも、戻ることもない、とても中途半端な関係を続けていました。それはそれでとても心地よい関係で、Sちゃんもきっとそうだったと、信じています。「Sちゃん、今度の土曜日のお昼、行けたらランチでもどう?」それでも。。。こーじはこれ以上、Sちゃんに会ってはいけない。そういう気持ちでした。Sちゃんが中途半端で可哀想だから、、、違う。こーじがSちゃんに本気になってしまうからです。でも、今は、この選択が正解だったのか、わかりません。「大丈夫ですよー。楽しみにしてますね」そんな返事をもらい、お店を予約しました。当日。あれは、冬の、天気の良い日でした。待ち合わせ場所に現れたSちゃんは、この日も可愛いかったと思います。「寒いですね」「ね、風邪ひかんようにね」「ありがとうございます」多分そんな、何気ないやりとりをしていたと思います。「お昼って珍しいですよね」「そやね、俺は太陽苦手やから」「何ですかそれ」さすがにこんな返しをしたかどうかは覚えていませんがw多分こんな感じだったんじゃないかなと。「Sちゃん」「はい?」「俺、結婚するって言ったやん?」「はい」「どう思ってる?」「どうって? どうも思ってませんよ?」ここは、よく覚えていて。この質問が適切だったかはわかりません。でも、他に切り出し方がわからなかったんだと思います。「そっか、ごめん、何でもない」このとき、ホッとしていたと思います。最低なのかな? もうわかりません。「こーじさん。この後カラオケ行きませんか?」「カラオケ?」「最近行ってなくて」「ストレス発散に付き合ってくださいよ」「ええよー」そしてカラオケに。最初は普通に交互に歌っていたと思います。何曲かずつ歌った後に、Sちゃんは言いました。「こーじさん、アジカン好きでしたよね?」「え? うんうん」Sちゃんに好きなバンドの話はしていたと思いますし、この日も、この前にアジカンの曲も歌っていたと思います。「じゃあ私が、1曲歌っていいですか?」「もちろん! なんかイメージ合わへんけどw」「そうですか?」彼女の選曲は、忘れません、『Re: Re:』という曲でした。この選曲の、まずすごいところは、このカラオケに行ったのが、2014年だったんですが、、、もちろん知っている人の中では有名な曲だったんですが、この当時は、昔のアルバムの1曲でしかありませんでした。2016年に、アニメのタイアップなどもあり、シングルカットされてほどほどに有名な曲となります。つまり、まだこの時点では一般的にはまったく有名な曲じゃなかったんです (先見の明もありますね)そして、こーじの好きな1曲でもありました。何より、その歌詞が、、、君を待った 僕は待った途切れない明日も過ぎて行って立ち止まって 振り返ってとめどない今日を嘆き合った記憶だって 永遠になんて残らないものとおもい知って僕はずっと 掻きむしって心の隅っこで泣いたそしてどうか なくさないでよって高架下、過ぎる日々を後悔してんだよって そう言い逃したあの日ーー「Re: Re:」(後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION))より引用は、1番だけにしておきます。。。このあとの方が、正直あれですけど。カラオケで歌う1曲に、そんなに深い意味はなかったのかもしれません。でも、私にはそう思えない何かもあって。そして何より、一所懸命に歌うSちゃんのその横顔があまりにかっこよくて、茶化さずに聴いていたと思います。「どうかしましたか?」あんまりに見惚れていたのでしょう。そう言われたのを今でも覚えています。「いや、意外と合っとるなと思って」そんな風に言うのがやっとだったと思います。「嬉しいなー」2人でカラオケも2, 3時間くらい楽しんで、外に出ます。外は暗くなり始めていたのを覚えています。「Sちゃん」「はい」「色々忙しくなると思うし、もう逢えへんと思う」少し言葉を選んで言ったと思います。すぐには返事がなかったです。少し考え込んで、Sちゃんは口を開きました。「今日、なんとなく、そんな気はしてました」「頑張ってくださいね」「ありがとう」こーじは感謝を伝えるくらいが精一杯だったんじゃないかな。「私も結婚できるかなー」「できるよ」この言葉に、Sちゃんは何も答えなかったのを、はっきりと覚えています。「じゃあ、気をつけて」「うん、Sちゃんもね」そう言って、最後のお別れをしました。この日は駅まで送っていくこともなかったです。でも、多分、Sちゃんは、その意味を勘違いしていると思います。Sちゃんが大切じゃないから送って行かなかった訳ではないです。Sちゃんが、これ以上大切になってしまうのが怖かったから、「送るよ」の一言が、言えませんでした。これ以上一緒に居たらダメだなと、この日はっきりと思ったと思います。これが、こーじの中のSちゃんとの記憶でした。Sちゃんは、こーじの心にも、確実に、忘れない傷をつけているんですよ。あの頃の気持ちを伝えたい気持ちもありますし、それは迷惑だろうな、という気持ちもあります。きっと、彼女は前向きに、彼女の人生を歩んでいるでしょうから。