日本語入力ソフトはどれがいいか、という記事が話題になっていました。

 

さよならGoogle日本語入力、ただいまATOK [35歳からの中二病エンジニア

 

 タイトルのとおり、Google日本語入力からATOKに乗り換えた理由をまとめている記事です。主な理由として挙げられているのは以下です。

 

Google日本語入力は、同じ単語を別の文脈で使うと意図した通りに変換されなかったり、簡単な文章なのに正しく変換されなかったりということがしばしばあって、ストレスが溜まった。これは1年以上使い続けても変わらなかった。

また、ATOKは誤用や慣用表現をきちんと指摘してくれるのが良い。Google日本語入力だと正しい表現と誤用表現が一緒に変換候補に出てくることも多いので、混乱する。このあたりはネットの集合知の副作用だろう。ATOKはその点統制されているが、一方で流行語やネットスラングも随時更新されているので、予測変換の強さでは良い勝負をしてくれる。

 

 私はGoogle日本語入力ユーザーですが、この記事が指摘するとおりの問題があるのは確かだと思います。また、この記事を書かれた方はATOK Passportプレミアムに乗り換えたそうで、有料ならではの使い勝手の良さがあるのはうなずけます。「文章を書くことが多い人」はATOKが向いている、と結論づけている点にも反論する気はありません。

 ただ、同じ「文章を書くことが多い人」でも、ライターにはGoogle日本語入力が向いているのではないかと思いました(少なくとも現時点では)。その理由は2つあります。

 1つは、Google日本語入力の問題点として指摘されている「同じ文章を別の文脈で使うと意図した通りに変換されない」「簡単な文章なのに正しく変換されない」からです。ライターは文章のプロ。質の高い文章を提供するのが当たり前です。極端にいえば、一字一句に責任を持たなければならないわけで、日本語入力ソフトにその決定権を委ねるべきではありません。むしろ、多少誤った変換がなされることで、注意力を高められるのではないかと思います。常に気を配らなければならない「誤用や慣用表現」を指摘してくれるATOKは確かに魅力ですが、ソフトに頼っていると自分の感覚が鈍る可能性もあるのではないかと危惧します(そこまでGoogle日本語入力の精度が低くないから言えることですが)。

 もう1つは、固有名詞が強いことです。どんな内容でも間違うことは許されませんが、中でも致命的なのは人の名前や会社名、地名といった固有名詞を誤ること。もちろん推敲や校正段階で再度チェックはするわけですが、ある程度の正確さを入力段階で得られるのは非常にありがたいことです。個人的には、こちらのほうがGoogle日本語入力を使っている理由です。

 あくまで現時点での感覚なので、これから便利なソフトが出てきたら乗り換える可能性はもちろんあります。いずれにしても、「ソフトウェアは道具」として上手に活用し、全面的に頼るべきではないというスタンスを保つことが重要ではないでしょうか。