四式中型装軌貨車に関する情報は少ない
残念ながら中型装軌貨車の開発経緯は分かりませんでした。
「陸軍軍需審議会 装甲兵車に関する審議 昭和18年7月13日」より
次に装軌貨車は今日ご覧になりました様に全装軌に致しますと
非常に荷框面積が狭く為に余儀なく後方に延伸してあります
それで是を廣くし少なくとも荷框の面積を三米で理想的に作ったなら
どう云う車になるのかとのご質問がありますが
それが概ね之に 該当するものと考へ参考に載せました
全装軌に就きまして三米の荷框の長さを取って考へますと大体
此の図の 様な車になりますそう致しましと九瓲半位になるたろうと思ひます
発動機は六気筒てなく八気筒となります
そこて我々と致しましては装甲兵車として大体一分隊十二名の兵を運ぶと
云うことを考えますと斯う云う様に大きくなりまして重量に於いては
十瓲近くなる従て燃料消費量か増すと云つた様な事になりこの様な車は
却て不経済てありまして装甲兵車としては六気筒の統制発動機が適当ては
ないかと思ひます
試製中型装軌貨車と応用車両の開発・生産について
昭和18年1月 試製重迫撃砲が兵器行政本部訓令により設計着手
2月 試製七糎半對戦車砲が技術研究本部研究計画により開発指示
自走砲として開発され車體は一式中戦車の計画されていた
昭和19年3月 試製重迫撃砲第四技研にて車體完成
試製七糎半對戦車砲の車體を試製中型装軌貨車に決定
6月 試製重迫撃砲400km運行試験実施
9月 試製中型装軌貨車チソ 相模造兵廠にて3輌生産
10月 ナト車車體2輌完成 砲搭載
12月 ナト車運行試験
昭和20年1月及び3月にチソ各1輌を生産。
チソとしては5輌生産されたようです。(試製第1号車の完成時期等は不明)
ハト車は重砲兵学校に4輌。
ナト車は2輌完成 ナト砲20年度生産計画は200門。
終戦時相模造兵廠にナト車70輌が未完成。
チソとしての写真は未公表だったが、
昭和23年の放置車両の中にチソと思われる車両が確認された