つづきです











「結構、すごいことになるんだな」



智は笑いながら、ベッドの惨状を眺めていた。

ごめんない。ゴムもないのに後先考えず本能に身を任せてしまった結果です。

結局、あの後も愛し合い、求め続け…

更にオレが2回、智が3回達した所で精も根も尽き果てた。


束の間の微睡みを経て

やがてカーテンの隙間から差し込んだ薄い光に、夜が明けたことを知る。


飛び散った体液はシーツを濡らし、ふたりの躰を汚していた。大量の濁は拭っても拭っても拭き取りきれず、ゴミ箱はティッシュが山となっている。



「和也、シャワー浴びてこいよ」



入りきらず、ゴミ箱からこぼれ落ちていたティッシュを拾いながら、智が言った。



「いや、オレが片付けるよ」


「良いから。いつまでもそんな…裸でいられると、またやりたくなっちまう」


「いや、流石にもう…ムリよ////」



この場合のムリは、裏の意味とか何もない。本当に無理。

幾度も受け入れ、激しく貫かれた腰にはジンジンと鈍い痛みが響いている。

それに…

この腹の中に溜まったものを出さないと。

何度も交わっている間に繋ぎ目から伝い落ちたものもあるが、あれだけ満たされたのだ。中にはまだかなりの量が残っているだろう。



「…じゃあ、お言葉に甘えて」



ふらふらとベッドを降りようとすると、そのおぼつかない足元を見かねた智に抱き上げられる。

そのままバスルームへと連れて行かれた。



「洗ってやろうか?」


「////遠慮しときます」



ムリ…だけどさ。

それでもアナタに欲情してしまうかもしれない。

大人なのに自制できる自信がなくて、扉の奥へと逃げ込んだ。


熱いシャワーで、全身を洗い流す。

こびりついた精液を丁寧に落とし、指先を…自身の尻へと伸ばした。

まだ智のカタチを覚えているのか、すんなりと挿入を許すその場所。

…奥まではとても届かない。

それでもいっぱいに押し込み、残っている蜜液を指で掻き出した。



「…こんなとこ、かな」



シャワーを終え、置かれていた着替えに身を包んだ。


智の服

智の匂い


かろうじてパンツは昨日コンビニで買った新品だったけど。笑


バスルームを出ると、部屋の中は綺麗に片付けられていた。

ティッシュで溢れていたゴミ箱は、袋に纏められ空になっている。ぐちゃぐちゃになっていたベッドも、シーツが剥がされ新しいものがかけられていた。



「おれもシャワーしてくるから、和也はもう少し寝てろよ」


「あ、うん」



丸めたシーツを手に、智はドアの向こうへと消えた。



少し濃いめのコーヒーを淹れ、一息つく。



「ちゃんと考えなきゃなぁ、これからのこと…」



智の机の上。

そこに置かれていた大学の資料は、どれも県外のものばかりで…



オレはトントンと重い腰を叩きながら


別れの予感しかない未来に

重く…沈んでいた。





つづく





miu