えーと…

勘のいい人なら、お分かりでしょう( ・∇・)


そうです。


私の悪い癖が出て、途中でまるっと下書きに移したお話です←


新しいお話も思いつかないので、続きを書き始めたのですが…

前科があるため(笑)とりあえずラストまで書き終わってからのUPにしようと、ちまちま書いておりました。


これまでの分も、多少手直ししながら進めますので、毎日投稿はできないかもしれませんがご容赦を。




では、あらためて。


どうぞ。








高い空


ほのかに香る甘い匂いは金木犀だろうか。


またひとつ 季節が変わるのを感じながら

オレは首元のネクタイを少しだけ緩めた。



イタズラな風が、伸びすぎた前髪を揺らして逃げていく。


あぁ、そろそろ切らなきゃなぁ なんて…

そう思ったのはどのくらい前だろう。



面倒くさいのよ。

どうでも良い。

やる気が起きない。



だから、今日もここで…


大通りから少し入った、人気の少ない公園の

塗装のハゲたベンチで静かに目を閉じる。



…ここで、このまま眠れないかなぁ。


そんな叶わない願い事をするのも何度目だろう?



いい加減、医者に行った方がいいのだろうか。

今、倒れずにこうして動けているということは、全く眠れていない訳じゃないのだろうけど。

浅い眠りを繰り返してはすぐに目が覚める毎日。

朝になっても身体の疲れは取れないし、活力なんて到底湧くはずもなかった。



…原因はわかってる。


今も、こうして目を閉じれば

あの時の光景が鮮やかに浮かび上がるから。






大学の頃から付き合っていた彼。

お互い希望する会社に就職できたものの、研修が終わり配属された先は日本のいわゆる東と西。仕事で忙しい日々に、次第に連絡が途絶えがちになっていった。

そんな生活を続けるうちに、気づけば一年以上が過ぎ (このままじゃダメだ) と、意を決して電車に飛び乗り、訪ねた彼のアパート。


使う事なんてないだろう と思いつつも

お守り代わりに預かっていた合鍵で扉を開けると


ベッドの上にいたのは

明らかに事後である 彼と"誰か"だった。


慌てて誤魔化そうとする彼と

状況を察して、薄ら笑いを浮かべる男


その男は、少し爪の伸びた人差し指で

オレの胸をトン と叩き


勝ち誇ったように、こう言った。



" 君って可哀想な人だね "



かわいそう?

オレが?


その言葉が呪いのように絡みつき


心を

身体を締め付けていく。



そして虚無感だけが残り

あれ以来、何もしたくなくて…


外回りをしていた時に見つけた、仕事をサボるには恰好の場所。

オレは毎日のように、ここを訪れていた。






つづく





miu