TANG、初日に観てきましたヽ(´▽`)/

はぅ♡可愛かったぁ



ちょこっとだけ

ever…の 更にその後をお届けします( ・∇・)


相葉さん語り












「いらっしゃいませ」



うちの店は、表通りから離れた 奥まった場所にあるため、初めてのお客さまには分かりづらい。

決して一見さんお断り…なんて、そんなこだわりのある店ではないんだけどね。

そんな訳で、大概は誰かの紹介だったりすることが多い。

このお客さまもそう。

先月、山田さまと一緒に来店された方だ。



「こんばんは。美味い酒が飲みたくて」


「それはありがとうございます。こちらのお席へどうぞ」


「…いや、この端の席に座っても?」


「? もちろん結構ですが」



そう言うと、少し窮屈そうにしながらも

そのお客さまは 一番端の席へと座った。


整った顔立ちにスマートな身のこなし。上等なスーツと磨かれた靴。

いかにも仕事ができる男って感じだよなぁ。

酒の好みも大人で。

オレは香り高い 強めの酒を、静かにグラスへ注ぎ入れた。



「どうぞ」


「ありがとう。……うん、美味い」


「恐れ入ります」



このお客さまは黙ったまま、壁にかけられた絵を 食い入るように ジッ と見ていた。


グラスを口に運びながら

時折、何か思い出したように遠くを見つめて…


静かに酒を飲むのが好きな方なのだろうと、声をかけずにいたのだけれど、その様子があまりにも懐かしそうなので、思わず話しかけてしまった。



「それ、大野智さんってイラストレーターの絵なんですよ。ご存じですか?」


「…うん。色の置き方がすごく個性的だよね。俺の大好きなアーティストなんだ」


「そうでしたか」


「これは…直筆?印刷じゃないみたいだけど」


「ええ。5年ほど前に、縁あってご本人からいただいたものを飾らせてもらってます」


「………」



一瞬…目を見開き

まるで時間が止まったかのように、沈黙が流れた。


そして、もう5年かぁ…と

目を細めて視線を下げた。



「…彼、元気そう?」


「え、はい。あの…お知り合いなんですか?」


「……いや」



テーブルの上に代金を置き、ごちそうさまと立ち上がったから、オレは慌ててそれを彼の手に戻した。


なんだろう…

このまま帰してしまったら、こちらのお客さまは、もう二度と来ない気がする。



「あの、今日のこの一杯はオレにご馳走させてください。その代わり…

また来て欲しいんです」


「え…」



お客さまは、黙ったまま…

しばらく考えていたが



「うん。じゃあ…また来ます」



と、小指を差し出したから、その指に自分の小指を絡めて指切りをする。

お客さまは眉尻を下ると、あはは と笑った。


さっきまでの 大人な雰囲気とはまた違う

可愛らしい笑顔とのギャップに、オレも笑ってしまった。



「お待ちしてます。えっと…」



前回、山田さまと一緒にいらっしゃった時

こう呼ばれていた気がする。



「櫻井さま」




大丈夫。

きっとまた会える。



どこかでそんな声が聞こえて…


オレは、壁に飾られていた絵を見つめた。









あと、翔くんサイドをもう少し( ・∇・)←笑






miu