|・ω・`)

|)=͟͟͞͞ シュッ!

|・ω・`)コッショリ



お正月に思いつき、書き始めたものの…
気づけば、お正月から2週間も経っておりました。

今更正月ネタかよ!って声が聞こえてきますが
一応、置いておきます( ・∇・)笑

↓こちらのふたりです♪






「ご主人さま、これなに?!」
「これは、鏡餅」
「こっちのは?」
「おせち料理」
「うゎ、すごい綺麗♪美味しそう!」
「明日一緒に食おうな?」
「うん!」


もう何年も一人で過ごしていていた正月。
自分だけなら例年通りのんびりと過ごすはずなのだが、今回は少し違っていた。
日本の文化…なんていうと大げさだけど、ニノにお正月を教えてやりたいなって。でも、何を用意したら良いのか全然分からなかった。
とりあえず実家で用意していたものを揃えようかと、久々に母ちゃんに連絡したら、何かを察した様子で、その人うちに連れて帰ってきなさいよなんて。
まぁ、おれは恋人のつもりだけど、さすがにニノを連れて行く訳にいかないだろう。
なんと言っても急須の精だしな。笑
言葉を濁して電話を切ったら、その翌日には実家からお正月セットが届いた。ご丁寧にクール便で。

ちらりと視線を向ければ、ニノは目をキラキラさせて段ボールの中を覗き込んでいる。
そんな嬉しそうなニノを眺めながら、おれもちょっと嬉しくなって。実家から送られてきたおせち料理を一旦冷蔵庫にしまい、蕎麦を茹で始めた。


「ねぇ、これ何?」


ニノが箱の中に入っていた、何だか難しい漢字が書いてある包みをおれに見せる。

屠蘇散?

見慣れない漢字に一瞬たじろいだが、裏の説明書きを見て、あぁと理解した。
画像があった方が分かりやすいだろうと スマホで"おとそ"と検索し、ニノに説明しようとしたところで、蕎麦を茹でていた鍋が激しく吹きこぼれた。


「うゎ、やばっ!」


ここに書いてあるからと、スマホをニノに預ける。慌てて火を弱めたが、ついこの間、大掃除したばかりのガス台を見事に汚してしまった。
気を落としながらも、何とか年越しそばを完成させる。


「ニノ、蕎麦出来たぞ」
「はぁい」
「あぁ…おとそ、分かったか?」
「うん!これ、オレ作っていい?」
「別に良いけど」


どうやら、送られてきた段ボールの中に材料が揃っていたようだ。
ニノはおれの作った蕎麦を美味そうに平らげると、背中を向け、何やら楽しそうに作業を始めた。



こたつで二人並んで紅白を見て
遠くで響いている除夜の鐘を聞き

ニノと出会えたことを感謝しながら
過ぎゆく年を見送る。


「3…2…1…」


時計の針が重なったのを確認して
そっと…唇を重ねた。


「ニノ、あけましておめでとう」
「あけま…?」


新年の挨拶だよと言ってニノを抱きしめた。

温かくて
柔らかくて

幸せな眠りに誘われたおれは
そっと目を閉じた。





翌日。

窓の外はすっかり明るくなり、いつもより少し遅い時間に目が覚めたおれは、大きなあくびをしながら冷蔵庫から重箱を取り出し、整える。
正直、あまりうまいとは思ったことのない料理の数々ではあるが、縁起のいいことは確かだろう。こたつの上に並べると、それだけでお正月らしさを増す。


「ニノ、ほらおせち料理だよ。一緒に食べよう?」
「んふふふふ♡
ごしゅじんさまぁ、お正月って楽しいれぇ!」


…へ?

何やら呂律が回っていない様子に、胸騒ぎを覚える。
振り返れば、ニノの透き通るような白い肌はピンク色になり、目は…
トロンとしているというより、座っているという表現がぴったりだ。

ん?どうした?!

くん…と 顔を近づてみれば、案の定酒臭い。

いや、正月だし、確かに酒も用意してあったけど、おれだってまだ飲んでいない。いつの間に飲んだんだ?
不思議に思って確認すると…
昨夜、ニノが作っていたはずのおとそが無くなっていた。


「お前、まさか全部飲んだのか?!」
「えぇぇぇ、ひどーい。飲んれないよぅ」
「だって、空っぽじゃねーか」
「おとそって、これに入れるんれでしょ?」


そう言って、ニノは急須を指差した。
中を見れば透明な液体で満たされている。

…へ?
もしかして。

昨日検索したスマホの画面を、もう一度確認する。
すると、お屠蘇の概要ともに、何とも有難そうな朱塗りの酒器が紹介されていた。

…形は、まぁ。うん。
確かに急須に似てるかもな。

どうやら酒器の代わりにと、自身の急須に注ぎ入れたらしい。なるほど飲んでいなくても酔っ払う訳だ。

慌てて中身を他に移し、急須をぬるま湯で洗うと…

…いつものように、はぁはぁと艶かしい喘ぎ声が部屋に響き始めた。笑


「ニノ、ちょっと待って…」
「やぁん、我慢れきないよぉ♡」


洗ったところですぐに酒は抜けないらしく、いつもより強引に押し倒された。


「あ、オレもお正月の勉強したんらよ?」
「勉強?」
「姫始め…しよ♡」
「///お前、どこでそんな言葉を覚えて…」


塞がれた唇は、すぐに…深く交わる。

本当は、ニノと一緒に初詣に行って、おみくじ引いて…なんて考えていたのだが、どうやらそれは難しいらしい。笑

ま、毎年 寝正月だったし
ある意味…これも寝正月か。笑


「今年もよろしくな」


サラサラの髪に指を差し入れると
可愛い恋人をギュッ…と抱きしめた。



おわり♪





お後がよろしいようで( ・∇・)笑


miu