つづきです










あれから、オレたちは毎日のように一緒にいた。


それは、とても自然なことだったから。


一緒にご飯を食べて
一緒にビールを飲んで

話して、笑って、眠って。


いつの間にか、歯ブラシは二本になり
マグカップもお揃いのものが並んでいて

ベランダでは、ふたりのシャツが仲良く揺れている。


いつもは、オレよりも早く家を出るまぁくんを、キスで送り出すんだけど…


「いってらっしゃい、ニノ」

「///ん。いってきます」


今日は日曜日。

頭上で寝癖が揺れているまぁくんからの、優しいキスで送り出された。


…最初のセックスで痛めてしまった腰を、まぁくんはすごく心配して。
その…あれ以来、シてくれないのよね。

でもさ?
あれからもう一週間。
今日あたり、そろそろ良いんじゃないかな、なんて//////

電車に揺られながら、そんなことを考えていたら…
隣の人がめっちゃ見てくるから、ゴホンと咳払いをした。
え、オレ口に出したりしてないよね?
あんまり一緒にいるから、まぁくんのクセが移ってしまったのかと、一瞬焦った。笑




仕事は何事もなく終わり、明日の撮影を手伝ってくれるスタッフと簡単に打ち合わせ。
撮影に使うハウススタジオの場所と時間を確認し、店から借りた道具類や衣装を、車で来ていた彼女に持ち帰ってもらうことにした。

さて。

家に帰って、機材の最終確認をしたら…
明日の準備はOK。

////// 誘っちゃおう、かな。

駅に向かう歩道。
何故か…すれ違う人が次々と振り返るのだけれど

そんなことを気にする余裕もなく
オレは走り出していた。





「まぁくん、ただいま」

「おかえり」

「あれ、明日の準備は?」

「先に部屋に寄って、全部済ませてきた」


ギュッと抱きつき、まぁくんの腕の中に収まると、良い子いい子と頭を撫でられた。

もう…子どもじゃないんですけど。
大人。しかもいい歳の。

そこは、キスでしょうよ。

むぅ と唇を尖らすと、今日はニノの好きなハンバーグだよって。その言葉にお腹の虫がぐぅと鳴ってしまったオレは、どうやら立派なお子ちゃまだったようです。笑



「ごちそうさまでした。…まぁくん、お風呂入った?」

「オレはまだ。沸いてるから入ってきなよ」

「じゃあ、オレがここを片付けておくから、先に入ってきて?」


食器を下げて、シンクに置く。
洗い始めると、まぁくんはそんなのオレがするからニノ入りなよ って。
違う。そうじゃないのよ。
まぁくんがお風呂に入ってる間に、こちらとしても、その…色々と準備したいんです///


「オレはさっき部屋でシャワーしてきたから。ね?」

「う…うん」


オレの気迫を感じたのか、不思議そうな顔をしながらも、まぁくんは風呂場に向かった。

急いで片付けを終わらせて、洗面所のドアを静かに開けた。置かれていた着替えを手に取り、こっそり部屋に持ち戻る。

あとは…


「ねー。ニノ、置いといた着替え知らない?
…って、ぅわ!!」


バスルームから出てきたまぁくんに
全裸で抱きつくと…


腰を隠していたタオルが、ハラリと落ちた。





つづく


miu