つづきです


今回は大丈夫!(๑و•̀ω•́)و笑笑



好き嫌いが分かれるお話だと思います。

好みじゃなければ、ご自分でフォロー・アメンバー外して下さいね。











「ただいまー」


「おかえりなさい、ご主人さま♡」



留守番していたワンコのように、帰宅したおれに駆け寄り、纏わりついてくるニノ。

…あ。また服脱いじゃってる。

床に落とされていた服を拾い上げ、ニノに着せた。



「脱ぐなって」


「だって…窮屈なんだもん」


「こんなにゆるゆるのダボダボなのに、窮屈なわけないだろ」


「服を着る習慣が無いのよ」



ニノはぶつぶつと文句を言いながらも、Tシャツに手を通した。なんだかんだ言ってもこういうところ、素直で可愛いと思う。


テーブルに置いた買い物袋を目ざとく見つけると、ニノは怪訝そうにそれを指差した。



「何それ」


「これ?これは…」



袋から取り出したのは、真新しい急須。

使用済みの急須を洗うだけで大騒ぎするのは、面倒くさいから…

とりあえず、お茶を淹れる用の急須を別に買ってきた次第。



「…浮気者…」


「は?なんだ浮気って」


「ワタシというものがありながら!別の急須とっ!!」


「いや、言ってる意味が」


「そのコのことも優しく洗うの?撫でるように全身を…」


「おいおい」



冗談だと思ってニノを見れば、目には溢れそうなほど涙を浮かべている。

ぷいっと向けた背中を小さく丸めた。


…え、マジ?

本気で拗ねてるのか?!


難解な思考回路に困惑しつつも…

ニノを傷つけるつもりは、おれにもないから。



「ごめん」


「……」


「お前以外、使わないよ」


「…ほんと?」



本当だよと、ぽんぽんとニノのあたまを撫で、買ってきた急須を食器棚の奥にしまう。

代わりにニノを…

白い急須を取り、ニノに差し出した。



ふわり

花のような笑顔が咲く。



「美味しいお茶、淹れてくれる?」


「うん!喜んで♪」



例の雫は入って無くても、やっぱりニノが淹れてくれたお茶は絶品で。

飲み終わるとほっこりとする…

まぁ、こんなに美味いお茶が飲めるなら、前後が少々騒がしいくらい我慢するか。笑



「あ」


飲み終わった急須を片付けようと立ち上がったニノが、何か思いついたように振り返った。

満面の笑み。

…あれ?なんか嫌な予感。



「いい事思いついた!!

ご主人さま、一緒にお風呂入ろう♪」


「…なんでだよ」


「こっち(急須)もこっち(自分)も同じだもん。ワタシの躰をキレイに洗ってくれれば、自動的に急須もキレイに…」


「絶対しねぇ!」



なんて言いつつも…


ドキドキと飛び出しそうな心臓を

おれはどうやって鎮めようか…と

頭を悩ませていた。







つづく





miu