つづきです
蒸し暑いなぁ…
じっとりと滲んだ汗が身体中に纏わりつき、シャツを張り付かせる。
息苦しささえ感じて、不快だった。
見上げた空は、今にも泣き出しそうな表情をしている。
「早いとこ、配達終わらせよ」
いくつも掛け持ちしていたバイトは、かなり減らした。このところの暑さのせいか、身体が疲れやすい。
まぁ、借金の返済が無くなった 今、とりあえず生活が出来るだけの収入があればいい訳で。
オレは のんびりと就活をしながら、比較的割りの良い宅配のバイトを続けていた。
今日は荷物が少なく、車に積んだ荷物はあと少し。
早いとこ終わらせて、家に帰ろう。
そう…ニノが待つアパートへ。
車を寄せ、最後の荷物を手に取る。
住所はココで間違いない
宛て名は…
大野さん、か。
木造の古い建物は 周囲とは一線を画し、異質な雰囲気を醸し出していた。
呼び鈴を押す。
二度三度と押したものの、主人の出てこないドアを見つめ…
残念、持ち帰りか と、溜息をついた。
くるり と背中を向けた途端、感じた視線。
ゆっくりと振り返ると、閉まっていたはずの扉は開いており、男が立っていた。
「あ…あの、ハンコかサインを…」
はぁ、と 面倒臭そうにため息をついた男は、頭をガリガリと搔いている。受け取った伝票にサインすると、荷物を受け取らずに オレの手を掴んだ。
「え?!」
「…憑かれてる」
「あの、えっと…失礼しますっ!」
掴まれた腕を振り払って、扉に手を掛けた。
思いっきり引くと、ガシャン と 大きな音を立て、閉まった。
…集配センターに苦情が行くだろうか?
オレは逃げるように配達車に乗り込んだ。
つづく
伝言記事のコメント・メッセは、お返事しないつもりです。
私が返事するのも…どうかな?って思って。笑
ちえちゃんにも読んでもらいますね♪(о´∀`о)
その前の雑談は、のんびりですが コメ返したいと思います。待っててね♪
そして、翔潤のオマケ下げました。
元々、ストーリーには関係ない部分
消されるつもりで書いたやつだしね( ・∇・)
読んでくださった皆様♡
ありがとうございました!!
miu