猛獣さん(にのあい)のお話です。

BLです!
苦手な方はご遠慮ください。










ミシッ
ギシ…

キィ…ガチャ



…ん?
この音は…

一人暮らしのはずの家。
自分ではない、それでも聞きなれた音に、特段驚く事はなかった。

ただ…
そう、ただ、あの人の 突拍子も無い思いつきに巻き込まれるのだけは、勘弁してもらいたいものだが。

悪いね、相葉さん。
ワタシが眠っている間に悪さをする、いつものパターンは 今日は無理みたいよ?

ギシっと ベッドが沈んだタイミングで、枕元にある明かりをつけた。


「あれー? 起きてたんだ!」
「…残念でした」

ドヤ顔で相葉さんを見つめると、何のこと?とばかりに目を丸くした。


「オレね、ジビエ料理食べたんだ。美味しかったよ!」
「…あぁ?」


そういえば、今回の月間嵐の企画そんなだったっけ?ケモノが獣肉を食べるとか、ある意味シュールな気もするな。笑


「そりゃ、良かったですね」
「でね、ニノちゃん♡」


…邪気のない笑顔に騙されちゃいけない。
この人は、悪気がないだけに厄介なんだから。
悪寒を感じて、ベッドの上を後ずさる。


「お着替えしよっか♡ どれが良い?」


差し出した手には、見覚えのある衣装。


ニノさんで着た ウサギの服
VSで着た クマの衣装
カウコンで付けた 猪のカチューシャ
それと…
コンサートの映像撮りで使った…トナカイだっけ?

……何でここに?
いや、そんな事は考えても無駄だろう。
ジビエ料理で使われる食材から連想したことは間違いないが、相葉さんが持って来たかったから ここにある。それだけだ。

全力で回避したいが、断ったところで無駄なことも…経験上 分かっていた。


「…じゃあ、コレで」

それでも、一番被害の少ないであろうアイテムを予測し、手に取った。
カチューシャなら身につけるのも簡単だ。

頭の上の小さなイノシシとともに、目の前のケモノを見つめる。

…自分の選択は正解だったろうか?

ドキドキしているワタシの前で、相葉さんは満面の笑みを浮かべた。


「あのね、あのね!!
猪汁食べたの。めっちゃ美味かったんだよー♪
ニノシシの…汁も、美味しそう♡」


完全にロックオンされている。
……どうやら、ワタシの目論見は外れたようだ。泣


「イノシシは服着てないし♪」
「え、ひゃぁ!」


ポイポイと服を 剥 か れ、裸 の ワタシを当然のように組み敷く相葉さん。

あぁ、そうか。この展開…
ウサギでも熊でも、どれを選んでも結果は同じだってことか。


「くふふ…いただきまーす♡」


ペロリと 舌舐めずりした相葉さんは
あーん と 大きく口を開けた。




…この後の展開は、ご想像どおり。

結局、相葉さんにペロッと美味しく食べられた訳ですが。

言ってみれば、ワタシなんて野生動物というより、養殖されてるようなもんじゃない。
ジビエと言うなら、むしろ相葉さんの方が…

脂肪のない、引き締まった腹に 舌 を 這 わ せた。
股 間 に手を伸ばすと、握った手の中で 再び 勃 ち 上がる。
独特の香りに 奥が疼いた。


たまには…ね?


野性味あふれる ケモノの 肉 塊

ワタシは、その熱を味わうように
ゆっくりと  腰 を 落とした。




おわり♪






miu