昨日UPした、MVの画像に付けた妄想から…

この 続きを♡  と
嬉しい声をいただきましたので、調子に乗って書いちゃいました。
イメージと違ったらゴメンよー

BL妄想です。ご注意を。

ニノちゃん以外は
あえて名前は出しません。

お好きな相手で想像して下さいね( ̄∀ ̄)









家族でも 使用人でもないのに

…彼は、その椅子に座っていた。


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古い…
だけど、上等の皮で作られた椅子は

長い年月を経て
赤黒く光り 艶めいていて

どこか…自分なんて、触れてはいけないもののような気がした。



壁に掛けられた
所々 絵の具の剥げ落ちた肖像画

それと同じ顔をした 彼は
カズ  と 名乗った。


使われていない筈の部屋の中

俺は何の疑問も持たずに
カズに 引き寄せられる。

蜜を求める蝶のように、自然に。


「綺麗な目…」

『…フフッ、そう?』

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飴色の光は 全てを見通しているようで

まだ幼かった俺は
その瞳に、簡単に 囚われた。


「ここに来れば、カズに逢える?」

『…そうだな。アナタが逢いたいと願うなら、いつでも』


迷路のように広い屋敷。

長男ではない俺の行く先なんて
誰も気に留めなかった。


いつしか  昼夜を問わず、俺は ヒマを見つけて この部屋を訪れるようになっていた。

彼に逢いたかった。
側にいて話をしたかった。

胸の奥に灯る 熱の正体を知らず

俺は…
カズに 惹かれていった。


だけど、まるで 何かに憑かれているかのように、空き部屋へと 足繁く通う俺に、無関心だった父が  何かを感じたのだろうか?


「この部屋には二度と…入ってはならない。分かったな」

この部屋に 近くことを禁じられ

扉は…固く閉ざされた。


幼い子供にとって、家長の言いつけは絶対で、それに反抗するなどという選択肢は 与えられない。

昼間でも薄暗い回廊の奥にある部屋は闇に溶け、その存在は 曖昧なものへと変わる。


部屋も、カズも…

次第に 俺の記憶の底へと 沈んでいった。





つづく

miu