さあ、エロくない話です!←笑
需要が無かろうが…もはや 自己満足で書いてます。












一学期の 中間テストも 終わり
ニノが 勉強を教えてくれたおかげで
俺の成績は 驚くほど上がっていた。

もしかしたら…
ニノが希望する大学と同じ ところに
行けるんじゃないか?

なんて 調子にのって

「なぁ、ニノが行きたい大学ってどこ?」

と   聞いてみたけど…
ニノは ただ 微笑むだけで

「潤と 同じとこが オレの希望だから…
だから、潤が 勉強したい事 教えてよ。
オレも そこにするから」


…なんて 自分の進路を  ハッキリと 口に出すことは 無いままだった。






6月に入り
雨が続き  肌寒い天気が続いていた。

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通学路に咲く 紫陽花は
降り続く雨に濡れ

まるで…泣いているよう。


空を覆う 雨雲は
心にも 暗い影を落としていた。



日が経つにつれ 
徐々に  ニノの口数は 減り

変に明るく 振舞ってはいるものの
目の下には クマができていて

…たぶん、眠れていないんだと 思う。

それに最近   また 少し痩せた。


今日も  部屋に押しかけて
ニノの好きなハンバーグをを作ったけれど

やっぱり  あまり多くは食べられず…
半分ほどを 口にして


ゴメンね  って  下を向いた。



「お前やっぱり…体調が悪いんじゃないのか?」 

「…そんな事ないよ」


優しく微笑むけど

白い肌は 青白くさえ感じられ

俺には どうしたら良いのか
分からなかった。



心配で ニノを一人で残しておけず
そのまま 泊まり込む。



真っ暗な部屋の中で
バラバラと  小さな音が響いていた。

また…雨が降ってきたのだろうか?


”おやすみ”  を言ってから 

俺はずっと…
眠れない闇を 抱きしめていた。


どう考えても おかしい。
病気だろうか?

それとも 他に…理由が?


考えても 答えは出ない。


出るのは…溜息だけだった。




「ねぇ、潤…寝た?」


キシッと  
ニノが寝ているベッドから音がして

小さく…消え入るような 微かな声を
俺の耳が 捉えた。


「ニノ  まだ…起きてたのか?」

「…うん…あのさ、そっち行っても良い?」


俺が  ニノの部屋に持ち込んだ
薄っぺらい布団。

この部屋に泊まるときは 
いつもこれを使っていたけれど

ニノが 同じ布団に入って来るなんて 
初めての事だった。


「良い、けど…どうした?」

モゾモゾと 毛布をめくり
俺の横に潜り込んだ。


「…潤は あったかいね…」


ずっと ベッドに入っていたはずのニノの身体は  氷のように冷たくて…

ゾクッ と  背筋が 凍りついた。



何だよ、これ。

こんなのって…?!



思わず  過去の…

彼女が 消える前の姿が頭を過ぎり
全身で ニノを抱きしめる。


「潤…苦しいよ」

フフッと 笑いながら
ニノの  抱き締め返してくる手に 力が入るのが分かった。



「ニノ、明日…」

「ん?」

「明日、海に行こう」

「…学校は?」

「サボれば良い」



何故だろう この部屋の中で
潮の香りがしたような気がして…

気付けば そんなことを口走っていた。



「………ん、ありがとう…」



暫くすると
すぅ…と小さな寝息が 聞こえた。

ニノは 安心したように 
俺の腕の中で小さく丸まり

…眠りに落ちていた。


その様子に  少しだけ ホッとして  


俺は 東の空が白み始めるのを
待ちわびていた。




つづく





miu