末ズのお話です。
軽くBL含みますのでご注意下さい。








side : J



あ…


ニノが近くに来ると、すぐに分かる。

周りの空気が 
浄化されるように澄み渡るんだ。


凛として
それでいて 穏やかで…

そんな 空気に変わる。



視線の先には
思った通り  ニノがいて


そして…泣きはらした目をしていた。


俺を見て、驚いたように寄ってくる。


「ちょっ…潤?!
その顔 どうしたんだよ!」

「そういうお前も…結構ブッサイクな顔してるけど?」


……多分 俺が帰った後も泣いて…


腫れた目蓋にそっと 触れた。

ニノも、俺の…
顔の傷に 手を伸ばしてくるから

その手を掴んで、耳元に口を寄せた。


「俺、諦めないからさ…覚悟しろよ?」


これは、戦線布告。

お前と…あいつ への、な?


俺の 気持ちは
あいつなんかに絶対負けない。

大丈夫

俺に惚れさせてみせるから。


チュ…と
引き寄せた耳元に キスをする。

その途端、真っ赤になるニノが 
可愛いくて仕方ない。


もっと触れていたかったけれど

騒つく教室は 
俺たちを 日常へと引き戻し

いつものように 授業が始まった。




教科書を開けば
速攻で眠気が降りてくる。

やべ…

寝不足だよな。

気分転換に外を見たり、眠気を飛ばそうと 後ろのヤツをかまったり…

…そんな事してたら先生に怒られた。




ふ、と 
気づいた 視線に顔を向けると 
ニノと目が合った。

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え?////

そんな顔して 俺を見てたの?


とても柔らかい表情。

その微笑みは
花が風に揺れたようで…

まるで、好きって 言ってるみたいだよ。


透き通った 薄茶色の瞳には

俺が…
俺だけが 映っていた。



愛してる…

口の動きで
そう 伝えてみた。


今はまだ  響かなくても良いんだ。

でも  知っていて?

俺の…気持ちを。



ニノの赤い唇が 小さく動いた。


『あ・い・し・て・る…』




!!?

今…愛してるって言ったよな!?


マジ やばい。

超 ウレシイ!!



あんまり嬉しくて、はしゃぎ過ぎ
この後 困った事になるんだけど…


今の俺には  そんな事よりも

ニノと こんな時間を共有できるのが
何よりも幸せだった。




つづく



miu