「ねえ、相葉さん。
……お願いがあるんだ」

「……ダメだよ!」

「フフッ…まだ 何にも言ってないじゃない」

「ココから…居なくなる気?」

「…意外と 鋭いですね」


ニノは…
絵に掛けていた上着を 外し

それを ジッと 見つめていた。

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柔らかな色で彩られた
その輪郭を 

スッ…と  指でなぞり


下ろした その手を 
ギュッと、握った。


「大野さんには 心配かけたくないんだ。もし、ワタシの所為で帰ってきたりしたら…多分 許せなくなる。
自分も、大野さんも。

それに その時はね…潤も恨んじゃうかも。
だから、大野さんには 何も言わないで下さいね?」

「…?  潤って…会社の人?
まさか…今度の相手って…?」


ニノは 静かに 微笑んでいる。


「ねえ、ニノ。
今は大野さんの事よりも ニノの事だよ!?
それが 一番大事だから…」

「あのね、一番は 大野さん。
次は……
…潤の事、だよ。ワタシの事はその後で良い。
いい奴なんだよ?真っ直ぐで…。
………そんな 潤を追い詰めたのは、ワタシなんだ。

でも…やっぱり 受け入れる事は出来ないから。
だから ワタシが此処を離れるのが…一番良いんだよ」

「チョット何言ってんの!!?
ねぇ…翔ちゃん呼んで良い?三人で 一番良い方法を探そうよ」


思わず  声を荒げ

翔ちゃんを呼びに行こうと
ドアに手をかけた その時

扉が開いた。


「…ゴメン、聞こえたから…。
入って、良いか?」

「フフッ…呼びに行く手間がはぶけたね。こんな時は便利だな」


ニノは そんな翔ちゃんに
笑って、続けた。


「相葉さんがダメなら…そうだな、翔さんにこのスマホ 預けるから。
大野さんからのメール、ワタシの代わりに返信してあげて?」

「…そんなの すぐバレんじゃね?」

「大丈夫ですよ。いつも…長い文章なんて送ってないから。
…翔さんなら、上手くやれるでしょ?」

「ニノ、そんなのダメだって!!」

翔ちゃんに 差し出されたスマホを
オレが遮る。

「…ね、お願いだから…」

はらはらと

ニノのその瞳から
大粒涙が 溢れ落ちた。


「…分かった」

「?!  翔ちゃんまで!
何言ってんの?
…そんなの、絶対ダメだから!」


オレの目からも  涙が溢れていた。
 

つづく

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ひっそりと続いてます(^^;;
潤くんが出てこないね。笑

スイマセン…


miu