終電は既に無い。



今は 誰にも会いたく無かった。

それが…タクシーの運転手でさえも。







鈍い痛みと…
押し広げられる感覚に

一気に現実に引き戻された。

酒の抜けないワタシの躰は、押さえつけられる力に 抗うことなど出来なくて。



哀しみに満ちた…
潤の瞳が 叫んでいた。


”愛してる”   と。



その瞳から
大粒の涙が降ってくる。



受け入れる事は出来ない。


だけど…拒む事も出来なかった。



小さくなって

ひたすら… 潤の熱が通り過ぎるのを待っていた。






「ゴメン…」

その言葉を聞いて
弾けるように 飛び出した。




真っ暗な闇の中を歩く。


もはや  歩いている自覚さえ無かった。ただ…左右の足を 動かしているだけ。


どのくらい歩いたのか。

それでも 気付けば…
アパートにたどり着いていた。


錆びた鉄の 階段を

ガンガンと…
鈍い音を立てながら 駆け上がる。






部屋にはいって  
……崩れ落ちた。




カーテンを閉め忘れた窓から入り込む、微かな街灯の明かりが

立て掛けられたままの…キャンバスを照らしていた。



大野さんの描いた ワタシの絵。


その哀しそうな視線が、突き刺さる。


見つめる その瞳に耐えきれず
着ていた上着で覆った。



「….っ…ぅうっ……    
うぅ…っ!」


暗い部屋に 嗚咽が響く。


不思議と涙は出なかった。

どんなに 口元を 手で押さえても

その  隙間からは
全てが こぼれ落ちてゆく。


潤の気持ちに
なぜ 気付かなかったのだろう。


浅はかな自分と
…深い  後悔の念。



トン、トン…
壁を叩く音。


向う側から 
優しい声が 聞こえた。


「…ニノ、 大丈夫?  何かあった?」

「!!   相葉さん…っ。
ゴメン、なんでもない…」


「…ねぇ、そっち、行っていい?」


「!!   ダメ!   来ないで。
一人で大丈夫だから…」


「じゃあ、オレ…
ココにいるからね?  勝手にしゃべってる から。
それなら いい?」


「………うん」





どのくらいの時間が
経ったのか。


相葉さんは…その間

返事すら 出来ないワタシに
ずっと話しかけてくれていた。


でも、壁の向こうから かけられる 
優しい言葉は  


凍え、冷え切った 心に
少しだけ…温もりを与えてくれた。


つづく


*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

あのね。

大失敗!!( ̄ー ̄)笑

大宮編のラストで、ニノちゃん  ”大野さん”  呼びから  ”智”  呼びに変えてたのよ。

そんな事、すっかり忘れて 大野さん呼びしてるし。
ヤられちゃう時になって急に さとし って呼んじゃうし。

修正しようと思ったんだけど、もうめんどくさい←オイ!

酔った勢いでね?
さとしって呼んじゃったの。そういう事にしておいてね。( ̄▽ ̄)  へへ。
(反省なし)