「気配」 結婚しました!
ひょんな所で学生時代の恋人にばったりと会った。
10年ぶりだったが面影もあったし
それよりも一時的にも恋こがれたにおいがした。
10年前の私からの告白だった。
「うふふ・・・こんにちわ! 元気?」
「 ? どなたですか」
「忘れちゃったの?」
「 ? 」
「みゆちゃんで~す。」
「えっ!」
「うぁ~! 綺麗になって!いい女になったなぁ・・・。」
「うそ!」
「一人?」
「そお!」
最後に会ってからの時間を確認するように
言葉もなく、見つめあう・・・
「ごはん食べた?」
「まだなの。」
「一人身だと外食けっこう勇気が必要なんだ。」
「一緒にどう?」
「うれしい!」
・・・・・
「なぜこれまで一人でいたのかって?」
「働くことが楽しい時期があってね」
「でも、一人で生きてゆくことは大変ね・・・」
「そお・・・。」
二人の会話の中には「・・・・・・・」
沈黙が多く時が過ぎるのが早かった。
昼ごはんを一緒に食べたと思っていたのに
もう夕暮れにさしかかっている。
あの頃2年も付合っていたのに進む道が違うって
ケンカしてそれっきりだった。
忙しくなり連絡もしなかった。
でもいつも心の芯にあり、忘れなかった。
彼も・・・
あなたは気という字がつく言葉をいくつ上げられますか?
人の気持ちを考え過ぎると金縛りにあいます。
逆に気を回さないと村八分になります。
「KYな人」と言われないためにもアンテナの感度は良好に保ちましょう。
実は彼も結婚しないで独身だった。
みゆは飛び上がらんばかりの気持を抑えることで精一杯だった。
神様 ありがと。
お互いずーっと好きだったのに別れ別れになった本当の話。
生きるために稼ぐ!手順書あります。
「気色」 看病
「今日の昼飯何にする?」
小顔でイケメンの竜太が聞いた。
もう昼時になったんだと気がついた。
夢中で期末レポートを作っていたので空腹なことにも気がついてない。
「売店のパンにするか 安いし・・・」
「うん」
正直、いっきにレポートを進めたい気持のほうが強かった。
「おまえ、一人で食ってきな」
むっとした気色がもろ出た。
「イケメンが台無しじゃん!」
そこに女子がグループで通った。
飛びぬけてきれいな女子生徒がその中にいる。
「おっ!今日は顔色いいな。」
「なに?」
「いい女が通ったてこと」
「ふーん。」
いつもなら「おんな」の言葉に強い感度を持つ俺の頭中は
レポートで埋め尽くされていた。
そんなに夢中になり、必死に集中したのに・・・
・・・・・
レポートは通らなかった。
このレポートが俺のこれからの人生に大きく影響すること
親父に出してもらっている学費、アパート代がストップすること
親父が「事故」で半身不随になったこと
まだ誰にも話してない。
「お前最近ちょっとまじめ過ぎないかい?」
と目が合った瞬間
「いやごめん、最近 気色悪いような気がしたからさ」
なに!
「おぅ!やってやろうじゃないか!」
その時!心が奮起した。
!
あなたは気という字がつく言葉をいくつ上げられますか?
人の気持ちを考え過ぎると金縛りにあいます。
逆に気を回さないと村八分になります。
「KYな人」と言われないためにもアンテナの感度は良好に保ちましょう。
レポートを書き直して先生に直談判し、通した
サブプライムローン問題から尾を引く不況で就職氷河期にもかかわらず
故郷にもどり地元の市役所での試験を突破し
父の看病をする・・・・・ 本当の話。
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「気持」 プレゼント
寝苦しい夏の夜中にはっきりと覚醒した。
何時頃なんだろう?
いつもの方に目をやると時計の文字盤から蛍光の光がかすかに光を放っている。
2時だ。
真っ暗な部屋の中に時計のかすかな音が聞こえる。
目も耳もまだ確かだと自覚する。
もう85才をゆうに超えてしまった心の置き所がまだ見えない。
死を待つことしかないのか・・・
萎んでゆく「体」と「こころ」
その歳になればいつか自然と悟るものだろうと真剣に思っていた。
・・・・・・
こんなことで死を迎えることができるんだろうか?
暗闇の中で急に気持が不安になりそして広がった。
眠れぬ夜を過ごした。
朝になりトイレに立った。
勢いよく出る尿の流れがなんも心地よい・・・
少し寝不足であるが、昨夜のことはすっかり忘れている。
いつも元気な孫が寄ってきて
「おじいちゃん、気持をプレゼントするね。」
怪訝な顔をしていると
「おじいちゃん好き!」
?
「だっておじいちゃん、そう言うととっても幸せそうな顔するんだもん」
不意をつかれた。
あなたは気という字がつく言葉をいくつ上げられますか?
人の気持ちを考え過ぎると金縛りにあいます。
逆に気を回さないと村八分になります。
「KYな人」と言われないためにもアンテナの感度は良好に保ちましょう。
その後のおじいちゃんは7才の孫に教えられた事を胸に
92歳であの世に旅立った。
「おじいちゃん好き!」と言われた時と同じ顔で逝った本当の話。
「根気」 登りつめたサラリーマン
「おい! これどうなってるんだ?」
報告書を読んでいた課長が入社3年目の社員を呼んだ。
身長181センチメートル 体重85キロ
大きな身なりのわりに胆力がない。
ちょっとしたことで怒られるとへこむ!
繊細な神経構造を持っている。
ここ最近は毎日同じことをしていることに飽き飽きしている。
「継続こそ力」というどこかで拾った言葉に励まされているが
モチベーションがあがらない。
「どうして、客数がダウンしているのか裏づけの詳しい数字がないじゃないか!」
「はい、先輩からの数字がなかったもので・・・申し訳ありません。」
「すぐ、相談して書き直してこい。」
「3時から営業会議だから、間に合わせろよ!」
すっかりやる気のない返事をしてしまった。
エクセルを使ったグラフを作成すればすぐに終わることなのだが
先輩を探しているうちに同期の女子社員に呼び止められて
30分時間が経過していた。
気がついたら営業会議までに40分しかない!
データを持つ先輩を見つけた。
「先輩、課長からここの裏づけの数字を作成して来いと言われました。」
「ここに、調査メモがあるからそれで作って課長に持っていけよ。」
「もう、30分しかないんです。」
懇願してみた。
「よし、じゃ今度お前のおごりで一杯付き合え。」
「それだったら手伝うぞ。」
「はい!はい! わかりましたよ・・・!」
その後、彼はどうなったか?
会議が終わったあとに、先輩に居酒屋に連れていかれた。
実は先輩はわざとその数字を渡さなかったのだ
いつもの営業会議のことなのだから
目の前のことに集中すれば不足のデータなど簡単に見えるだろう・・・と
彼を試したのだった。
根気と集中力が散漫になった結果が出てしまったのであった。
「将来は社長!根気よくいこうぜ!」
居酒屋でそのことを聞かされた彼はその後
大きな暖かい先輩の指導に感動し、
その事を胸にその後も、ずーっと同じ会社で
根気よくがんばった。
あなたは気という字がつく言葉をいくつ上げられますか?
人の気持ちを考え過ぎると金縛りにあいます。
逆に気を回さないと村八分になります。
「KYな人」と言われないためにもアンテナの感度は良好に保ちましょう。
社長にはなれなかったが、52才で、取締役にのぼりつめた本当の話。
「本気?」 真冬の公園ベンチ
本気
携帯電話の着メロ、桑田の「愛しのエリー」が鳴った。
「はい!」
彼女からだ。訳もなく一瞬マズイと頭をよぎった。
思いつめた声で
「今!会いたいの・・・」
「どうしたんだ?」
「竜ちゃん・・・ 今!会いたいの・・・」
「おぅ!いいよ!」 断れない雰囲気があった。
「どこにする?」
「私のアパートの傍の公園!」
・・・30分後
意外なほど薄着の姿で公園の入口に立っていた。
二人は冬の寒い深夜の公園でベンチに座った。
ちょっと小刻みにふるえている。
彼女に目を見つめられて、真剣な顔をして確かめるように聞かれた。
「本気?」
聞かれたときに即座に
「おぅ!」と答えようとしたが、口がこわばって声にならなかった。
もう一度 「本気?」と聞かれた。
「おい!どうしたんだ!」自問自答したが言葉にならなかった。
見つめる目から涙が流れ落ちた。
なぜ即座に答えて上げなかったのか悔やんだ。
・・・・・
あなたは気という字がつく言葉をいくつ上げられますか?
人の気持ちを考え過ぎると金縛りにあいます。
逆に気を回さないと村八分になります。
「KYな人」と言われないためにもアンテナの感度は良好に保ちましょう。
その後二人はどうしたでしょう?
声にはならなかったが強く抱きしめ、そっと「まじ!本気だよ」と囁いた。
「本気」の表現が時によって変化する。
あの時の「カレの手」の感触を胸に、しあわせな一生を過ごした本当の話。
